アメリカの医師会や5000あまりの病院が加入する病院協会(AHA)、又高齢者による団体は、トランプ大統領及び共和党が押し進める医療保険制度改革(オバマケア)を廃止し代替する法案に対し、「保険適用範囲の縮小」や「患者数減少の可能性」、「公的助成金打ち切り」等の点から支持できないとして反対している。下院では法案の審議が始まり、民主党は法案阻止に力を入れており、共和党穏健派からも新規の給付金を設けるべきとの意見があり、法案の行方は不確かである。
3月8日付米国
『ワシントンポスト』は「医師、病院、保険会社が共和党の医療保険制度計画に反対」との見出しで以下のように報道している。
医師や病院、保険会社や高齢者を代表する主な協会団体は、「医療保険制度改革法」を改変する共和党案に断固反対の立場を示しており、トランプ大統領は5つの反対団体の代表と面談。今週2つの委員会で審議決定が行われる議案の行方が不安視されている。反対派は賛成票は(可決に必要とされる)18には満たなく少数だと自信をみせる。...
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3月8日付米国
『ワシントンポスト』は「医師、病院、保険会社が共和党の医療保険制度計画に反対」との見出しで以下のように報道している。
医師や病院、保険会社や高齢者を代表する主な協会団体は、「医療保険制度改革法」を改変する共和党案に断固反対の立場を示しており、トランプ大統領は5つの反対団体の代表と面談。今週2つの委員会で審議決定が行われる議案の行方が不安視されている。反対派は賛成票は(可決に必要とされる)18には満たなく少数だと自信をみせる。
制度の脆弱さに加え、利権団体や民主党を軽視し急激に代替案を押し進めようとする共和党のやり方への反発もみてとれる。オバマケアで100万人の契約者をもつ「モリーナヘルスケア」などの保険会社は、全くこの代替案への提案や助言をしていないという。
民主党のみならず、共和党穏健派の米医師会や米病院協会も反対を唱える。米医師会の代表者は審議委員会の委員長らに宛てた書簡で、「保険適用範囲の縮小や患者数減少の可能性の点から支持できない」とし、米病院会のCEOも同じく公的医療助成制度の再編により低所得者救済が行き届かなくなるとして反対している。
同日付英国
『BBC』は「米国の病院がトランプの進める医療保険法案に反対」との見出しで以下のように報道している。
5000の病院や医療ネットワークが加入する米病院協会(AHA)は、最も弱い立場の人が見捨てられるとしてトランプ大統領が押し進める医療保険制度改革に反発している。共和党穏健派は保険を受けられない人が出ることを懸念する一方、保守派は保険の拡大を懸念。オバマケアの加入者数や費用は、来週明らかとなるだろう。
高齢者のロビー団体「AARP」もメディケイド保険制度への助成金が打ち切られるとして反対している。
同日付
『ロイター通信』は「医療従事者がトランプが進める医療保険計画に反対、民主党は狙いを定める」との見出しで次のように報道している。
医師会や病院団体がトランプ大統領が後押しする共和党の医療保険計画に反対する一方、民主党は議案阻止に躍起となっている。オバマケア廃止法案の発表から2日後、下院では2つの委員会で代替保険案の審議が開始された。ペロシ下院議長は「彼らがしていることは破壊的行為、国の予算を労働階級の犠牲の上に、1%の富裕層に有利に編成している。」と述べている。
医師や医療従事者は「この法案で多くの患者が保険を失い、医療費負担が増える」と言う。米病院協会、米国主要病院、カソリック保健協会等の7つの病院団体は議員に宛てた書簡で、子どもや高齢者、障害者を含む保険を必要とする国民に「大きな不安」を与える結果となると述べている。
共和党は両院で与党となったが、共和党保守派の多くが「法案が完全な(オバマケア)撤廃でない」、「新規の給付金制度を新設すべき」等と主張しており、法案の行方は不確かである。
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