内部告発サイト「ウィキリークス」が7日、米中央情報局(CIA)の極秘ハッキング計画文書「Vault 7」(全部で8761点とされる)の一部公開を発表した。そこには、2012年からCIAが海外の標的から情報を収集し、最先端のソフトウエアを使ってスマートフォンやコンピューターに侵入する技術が記載されているという。資料の第1部「Year Zero」には車を遠隔操作する方法が書かれており、密室での暗殺も可能だという。
ウィキリークスは、「CIAは秘密を保持する統率力を失っている」と主張。また、CIAへの権力の集中を危惧する「ある筋」がそれを公けに議論することを目的とし公開したという。「ある筋」は、CIAのハッキングは”権力の乱用“で、その安全性やサイバー攻撃の民主的統制力に関し早急に公の場で議論する余地があると主張しているという。
3月7日付米国
『ABCニュース』(AP通信引用)は「ウィキリークスがCIAのハッキングツールに関する文書公開」との見出しで以下のように報道している。
ウィキリークスは火曜、政府がユーザーのPCやアップル、グーグル、マイクロソフト、サムソンのスマホやスマートTV等にまで侵入できるツールに関する大量極秘ファイル文書を公表するとした。文書には暗号やウィルス防止ツールを破るマル秘方法が書かれているという。...
全部読む
3月7日付米国
『ABCニュース』(AP通信引用)は「ウィキリークスがCIAのハッキングツールに関する文書公開」との見出しで以下のように報道している。
ウィキリークスは火曜、政府がユーザーのPCやアップル、グーグル、マイクロソフト、サムソンのスマホやスマートTV等にまで侵入できるツールに関する大量極秘ファイル文書を公表するとした。文書には暗号やウィルス防止ツールを破るマル秘方法が書かれているという。政府ハッカーが開発したものや外部から購入したものがあるとというツール自体は合意が得られない限り公開を避けるという。
インターネットに接続されたTVも盗聴器に使用、同様にPC接続された新型の車へのハッキングもCIAは試みていたとする。
この公表を受け、ユーザーらは安全性を懸念、トランプ大統領を含む米政府関係者も同様の危険があるものを使用しており、上院諜報委員会のヌネス委員長やヘイデン元CIA長官も懸念。
文書にあるツールの名前は変わっており、「バーテンダー」、「マルガリータ」、「ファイトクラブ」、「リッキーボビー」(コメディ映画「タラデカ・ナイト」の主役)等があり、「リッキーボビー」はMSWindows最新版のファイルに侵入できると書いてある。
CIAは海外の協力政府や米国家安全保障局と協力しており、ツール情報はCIA,NSA等の米国情報機関に加え、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国の情報機関とも協力関係にあると記されている。文書には、海外から伝授されたデジタル諜報技術の中核に関するデータも掲載されているという。ウィキは文書中の「CIAが攻撃目標とするラテンアメリカ、欧州、米国」の詳細は公開しないとしている。
同日付ロシア
『スプートニク』は「CIAが車をハッキングし「密室暗殺」まで狙っているとウィキリークスが警告」との見出しで次のように報道している。
ウィキリークスが公表したCIAの極秘情報資料名「Vault 7」によると、2014年10月時点で、CIAは密かに車やトラックへ侵入し操る事を企て、その目的は特定されていないが、そうとは気づかれずに暗殺する指示をCIAに与えられるほどの規模だったという。
多くの最近の車はアクセルやブレーキ、ハンドルやドアロック、エアバック等の主要部分はコンピュータ制御されており、2014年ハッカーらは、車の中でラップトップを使い、高速道路で「Wired」の記者が運転中のジープ・グランド・チェロキーを(実験で)ハッキングし、車体機能の遠隔操作に成功した。前年にもハッカーらはフォードやトヨタ・プリウスの後部座席でのハッキングに成功している。車のハッキングについては公開文書「ゼロ年」に掲載されており、関連文書はバージニア州ラングレーのCIA本部のサイバー諜報センターに全部で8761点あるとされる。
同日付英国
『インディペンデント』は「ウィキリークスがCIAスパイ資料「Vault7」を公表」との見出しで以下のように報道している。
ウィキリークスのアサンジ氏によると、「CIAのハッキング能力の全貌」が記載されているという「Vault 7」は、これまでで最大級の8,761点から成り、今回一部公開するものでも既にNSA等の情報を暴露したスノーデン氏のものを上回るという。文書中の個人を特定できる名前や場所は編集済であるという。
ウィキリークスは、今回の公表の際、CIAは「極秘情報保持能力の統率を失っている」と主張。CIAに権力が集中しているのではないかと危惧している「ある筋」がそれを議論することを目的とし公開したという。その「ある筋」はウィキへの声明文で、CIAのハッキングは”権力の乱用“でプライバシーの問題はないか、その安全性、広汎性、サイバー攻撃の民主的統制力に関し早急に公の場で議論する余地があると主張していたという。
閉じる