日経平均株価はトランプ演説を解釈しながらFRBの利上げのニュースで上昇
2017年2月28日午後11時49分米国東部時間
トランプ米大統領の議会演説は、日本の株式市場への影響はほとんど無かった。米連邦準備制度理事会(FRB)による3月の金利引き上げの可能性に急速に関心が戻った。次の米連邦公開市場委員会(FOMC)でさらに0.25%の利上げが行われる可能性が高いとみて、3月1日のアジア通貨取引の開始に向けてドルは急騰した。
為替レートの上昇は日経平均株価の上昇に寄与 し取引開始直後に1%上昇でスタートしたが、結局1.44%上昇で取引を終えた。トランプ米大統領の1時間にわたる演説の途中で前場が終了した段階では上げ幅を半分に縮めたが、日経平均は午後にドルが上昇するに連れ戻した。
「トランプ米大統領の演説は、税制改革とインフラ支出の詳細な説明が不足している」との指摘がある。
しかし投資家は演説の数時間前に行われたFRB高官のコメントに焦点を当てていたようだ。多くのアジアの株式市場も上昇した。中国の上海総合指数と香港のハンセン指数は上昇したが、コモディティ株下落の影響でオーストラリア株は下落した。
トランプ相場再来、欧州株式上昇:銀行、建設株が高い
2017年3月1日水曜日 11:41 pm IST
欧州株式市場については
『ロイター』が以下の通り紹介している。3月1日、トランプ米大統領による演説での米国の巨額の景気刺激策を背景に銀行株や建設株が再び持ち直し、欧州株は15ヶ月ぶりの高値を付けた。
トランプ米大統領は、2月28日に米議会への演説で1兆ドルのインフラ支出を約束した。一方米金融政策当局が3月の利上げをほのめかしたことで、金利上昇の恩恵を受けることから昨年のトランプ相場の最大の受益者の一つであった銀行株は、ヨーロッパ株式市場のセクター別株価で最大の上昇となった。欧州連合(EU)のSTOXX 600指数は2015年12月以来最高水準である1.5%上昇となった。英国のFTSEは最高水準で終わった。「昨夜米議会の大統領演説で相場に活気が戻った。」との指摘がある。フランスのCACは15ヶ月ぶりに高値をつけ、ドイツのDAXは22ヶ月ぶりの高値をつけて2%近く上昇した。
ファンドマネジャーの中には、上昇がどれくらいの期間継続するか疑問視する者もいて、2017年の株式は短期的には株価が先行していると考えているとの指摘もある。しかし、彼らは弱気ながらも株式を買うと述べた。アイルランドの建築資材会社であるCRHの株価は4.5%上昇した。同社は、中期的に米国のインフラ支出の増加から恩恵を受ける立場にあるとされる。トランプ大統領が今週、軍事支出を「歴史的」に増額すると発表したことを受け、防衛株には依然として強気だ。
NYダウ平均300ポイント上昇、初めて21,000ドルを上回る
2017年3月1日16:20 米国東部時間
欧州株式市場については
『CNN』が以下の通り紹介している。ウォール街はトランプ米大統領の議会への最初の演説にスタンディングオベーションで答えた。NYダウ平均は3月1日、303ポイント上げて初めて21,000ドルを超えた。
トランプ米大統領の2月28日のTVのプライムタイムの議会演説は視聴者から高い評価を受けており、ウォール街も好意的に受け止めている。演説で投資家が求めていた税制改革、オバマケア、規制緩和などの主要な問題について、多くの人が予想していたよりも具体的な説明は少なかった。ただウォール街の関心はトランプ米大統領の語調にあった。
以前の演説より楽観的で大統領らしく聞こえた。「演説は新たな壁を打ち破ったわけではないが、これまでよりはるかに整然としたものだった」、「トランプ米大統領を本当に大統領の立場に据えるという視点からは堅実な演説だった」との指摘がある。例えば、トランプ米大統領は議員に「米国のために大きな大胆なことを夢見るように取り組もう」と呼びかけた。
銀行株はトランプ相場の最大の勝者だ。2007年後半のサブプライム・リーマンショック以降でS&P金融株セクターは3月1日最高レベルに上昇した。銀行株は急騰しているが、ドッド・フランク法の廃止についてトランプ米大統領は何も言及していない。その代わり、FRBが3月に金利を引き上げる可能性が高まったため、大手銀行株が上がった。一方トランプ米大統領が約束した政策の大部分は議会を通じたものでは無いため、一部の投資家は株式が割高になってしまうのではないかと心配している。ある証券会社は「我々は強気相場の典型的な後期段階に入っている」と警告した。
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