安倍政権の熱心なアプローチにも大きく心を動かそうとしないロシアであるが、トランプ大統領の誕生で、米ロ関係修復が期待できると踏んだのか、益々日本への対応が醒めてきている感がある。すなわち、2月23日付【
風の流れ:ロシアの北方領土戦略】で触れられているとおり、ロシア下院議会でショイグ国防相が、北方領土を含む島々について、今年中に軍の新しい師団を配置する考えを明らかにした。そしてその裏付けとなるかのように、直近の米国世論調査の結果、プーチン大統領の支持率が以前より上昇している。ただ、それでも米市民の多くは、依然ロシアを敵対視している。
2月22日付米
『CBSニュース』:「世論調査:米市民、特に共和党支持者の間でプーチン氏の支持率が急上昇」
「●直近の世論調査の結果、米市民のウラジミール・プーチン大統領の支持率が、2015年の13%から22%と急上昇しており、これは2003年に就任以来最高記録。
●米世論調査会社ギャラップが2月1~5日の間、1,035人の成人を対象に調査した結果。
●支持政党別では、共和党支持者:32%(2年前12%)、民主党:10%(同15%)、支持政党なし:23%(同12%)。...
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2月22日付米
『CBSニュース』:「世論調査:米市民、特に共和党支持者の間でプーチン氏の支持率が急上昇」
「●直近の世論調査の結果、米市民のウラジミール・プーチン大統領の支持率が、2015年の13%から22%と急上昇しており、これは2003年に就任以来最高記録。
●米世論調査会社ギャラップが2月1~5日の間、1,035人の成人を対象に調査した結果。
●支持政党別では、共和党支持者:32%(2年前12%)、民主党:10%(同15%)、支持政党なし:23%(同12%)。
●ただ、全体では依然72%が同大統領を不支持。」
2月23日付英
『メール・オンライン』:「共和党支持者の支援でプーチン氏の支持率上昇も、4分の3の米市民は同氏が嫌い」
「●共和党支持者のプーチン大統領支持率が急上昇(12%→32%)したお蔭で、全体の支持率が22%へと2年前(13%)より40%も改善。
●急上昇の背景には、ロシアによるシリア内戦への関与と、ドナルド・トランプ大統領が選挙戦中からプーチン氏称賛の声を上げていたこと等があると推測。
●ただ、米市民全体では依然72%が不支持であり、ロシア国内のプーチン氏人気、すなわち、ロシア国営メディアの2016年調査結果であるが、クリミア侵入以後最高記録となる83%獲得、とは大きなかい離。」
一方、同日付米
『CNBCニュース』:「世論調査:米市民の多数が戦争に巻き込まれることを憂慮し、NATO支持を表明」
「●直近のNBCニュース・サーベイモンキー世論調査(オンライン)の結果、米市民の66%が4年以内に戦争に巻き込まれる恐れを憂慮。
●支持政党別では、民主党支持者:88%、共和党:40%が憂慮。
●また、トランプ大統領が“米国第一”を標榜しているものの、米市民の62%が、他国の求めに一部妥協したとしても、北大西洋条約機構(NATO)含め、同盟国との連携強化を希望。
●但し、トランプ大統領の親ロシア発言に逆行して、米市民の61%が、ロシアは友好的でないか、あるいは米国にとって敵だと評価。」
同日付中国
『新華社通信』:「米世論調査:米市民の多数が新たな戦争に関わることを懸念」
「●2月22日にリリースされた、米NBCニュース・サーベイモンキーの世論調査の結果、米市民の80%は米国がNATOの一員であることを良いことと認め、NATOは有害と考える人は僅か15%。
●また、ロシアを敵視する人が61%もいるのに対して、ロシアと同盟関係が築けると考える人は僅か7%、また、ロシアは友好的ではあるが、同盟関係にはなれないと考える人も28%。
●今回の調査は、2月13~19日の間、全米11,512人の成人に対してインターネットを通じて実施。」
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