米国のペンス副大統領は訪欧し20日、ブリュッセルで欧州連合(EU)のトゥスク大統領と会談し、トランプ大統領に代わって「EUとの協力、パートナーシップ」の継続で米国はEUとの協調関係を深めたい意思がある事を表明した。トゥスク氏はペンス氏から肯定的な回答を得たと評価。
しかし、トランプ大統領の反EU発言を巡り欧州諸国は米政権に警戒と懸念を抱いている。今回副大統領の発言でEUは一応の安堵を見せたが、トランプ大統領の本意かはまだ疑念が残るという。
ペンス氏はまた、ユンケル欧州委員長や北大西洋条約機構(NATO)のストレンバーグ事務総長とも会談。NATO加盟各国の軍事費増額について、国内総生産(GDP)比2%以上という目標の「成果」を今年末までに示すよう要求し、米国はこれ以上耐えられないと釘を刺した。
2月21日付
『ヤフーニュース』(AP通信引用)は「ペンスがトランプに混惑する欧州トップの説得試みる」との見出しで以下のように報道している。
トランプ氏は選挙中から親ロシアでNATOを解体して多国間貿易を行う事を示唆したり、また英国のEU離脱を支持しEUもすぐ解体するなどと発言し欧州諸国を不安にしていた。
米ペンス副大統領は今回ブリュッセルを訪問し、米国は引き続きEUの協力とパートナーシップ継続を望む事を大統領の代理で告げに来たと述べ、EUとNATOの支持を誓い、欧州連合理事会のトゥスク大統領は、ペンス氏から希望が持てる話を聞けたとコメント。...
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2月21日付
『ヤフーニュース』(AP通信引用)は「ペンスがトランプに混惑する欧州トップの説得試みる」との見出しで以下のように報道している。
トランプ氏は選挙中から親ロシアでNATOを解体して多国間貿易を行う事を示唆したり、また英国のEU離脱を支持しEUもすぐ解体するなどと発言し欧州諸国を不安にしていた。
米ペンス副大統領は今回ブリュッセルを訪問し、米国は引き続きEUの協力とパートナーシップ継続を望む事を大統領の代理で告げに来たと述べ、EUとNATOの支持を誓い、欧州連合理事会のトゥスク大統領は、ペンス氏から希望が持てる話を聞けたとコメント。
ペンス氏はまた、NATOには軍事費用の増額という「成果」を今年末までに示すよう要求した。2014年、NATOは同盟国がGNPの2%以上を負担することで合意。5か国のみ(米国、英国、ポーランド、ストニア、ギリシャ)が達成しているが、ペンスは他国も最低基準の目標達成すべきとした。目標に達しない場合の措置を聞かれ、「分からない、だが米国民の忍耐がいつまでも続くことはないと言えるだろう」と答えている。
20日付英国
『BBC』は「ペンス、NATOに軍費費増額要請」との見出しで次のように報道している。
ブリュッセルでペンス氏はNATO諸国が軍事費を増強しなければ米国は堪忍できなくなると述べた。一方で、米国はEUへの変わらぬ協力とパートナーシップに努めるとした。
トランプはこれまで国際組織への批判を常に口にしてきた。旧ソビエト連邦の脅威で結成された軍事連合であるNATOも例外でない。トランプは以前、NATOは「時代遅れ」だとし、軍事費負担額であるGDP2%を達成しない加盟国を批判していた。また歴代大統領と違いロシアに近づき、側近はロシア蜜月疑惑で辞職している。また、トランプは「EUはドイツだ。ドイツの乗り物だ」と批判し、英国は「離脱して大変賢い」と先月他紙の取材で発言、「他国の離脱も続くだろう」としていた。
欧州当局は会談の成果を、期待通りの事が聞けたと概ね評価しているが一方で、トランプ大統領からの発言がなければ信用できないと洩らす声もあった。
今回ペンス氏が述べたことをトランプ氏も口にするまでは欧州に懐疑的見方が残るだろう。今後トランプ氏のツイッターでの発言が注目される。多くの欧州国はまたトランプ政権に不安を抱いており、重要事案について意見が分かれている。
同日付米国
『ニューヨークタイムズ』は「欧州でマイク・ペンスがトランプの欧州関係への支援を伝える」との見出しで次のように報道している。
トランプ大統領の欧州批判とは裏腹に、米国には欧州支援の意思があることをペンス副大統領は欧州に表明した。また、ロシアの大使と通じたフリン氏辞任について聞かれ、言いにくそうにしながら、トランプの解雇決定を支持すると述べた。トランプが弁護士からフリンの件を聞いたのに、なぜペンスにすぐ知らせなかったのかに関して政府は説明していないが、この日もペンス氏はこの件には触れずじまいだった。
ペンス氏と会って握手しても欧州の米国への疑念は払しょくされていない。ペンス氏が欧州に発つ直前にも、トランプはツイッターで「嘘ニュース」がスウェーデン(EU加盟国、NATO非加盟)の(難民によるテロ)問題が解決していると嘘をついている等と欧州批判をつぶやいていた。
欧州リーダーらは、米国の雇用創生を促す保護主義政策により、関税が課せられる可能性を懸念している。ユンケル欧州委員会委員長は短いコメントでペンス氏に、米国は一般に認識されているよりも欧州に依存しているのだと警告し、「米国経済、例えばインディアナ州は(ペンス氏の地元を挙げて)米国が思うより依存してきた。」と述べた。またNATOのストレンバーグ事務総長は、「電話で2度全く同じメッセージを頂いた」と、トランプ政権のNATOへの貢献を確信できた」とコメントした。
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