【Globali】
米カリフォルニアでダム決壊の危機
米国カリフォルニア州北部のオロビルにある全米最高の高さのダムの放水路が壊れたため、ダムの貯水の排出が困難となり水位が増して危険な状態に陥っており、2月12日には周辺の約20万人が避難する事態となった。トランプ大統領はインフラへの投資を公約としているが、米国の多くの老朽化したインフラが崩壊の危機にあり、早期に政策として実現する必要があるようだ。
2月13日付
『ハフィングトンポスト』は、「オロビルダムの危機、インフラ投資の必要性を示す」という見出しで、数年毎に実際に災害が発生したり、発生の恐れが生じたりして米国のインフラが崩壊の危機にあることが明るみに出て来たが、この週末カリフォルニアで新たな大惨事の可能性が浮上したと報じた。日曜日全米最高の高さでカリフォルニア最大の貯水池を持つダムの放水路が大きく崩れたため修理を進める中、約20万人が避難した。...
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2月13日付
『ハフィングトンポスト』は、「オロビルダムの危機、インフラ投資の必要性を示す」という見出しで、数年毎に実際に災害が発生したり、発生の恐れが生じたりして米国のインフラが崩壊の危機にあることが明るみに出て来たが、この週末カリフォルニアで新たな大惨事の可能性が浮上したと報じた。日曜日全米最高の高さでカリフォルニア最大の貯水池を持つダムの放水路が大きく崩れたため修理を進める中、約20万人が避難した。カリフォルニア州中部や南部に水を供給するオロビル湖の水位は最近の大雨の影響で史上最高レベルにまで達していた。日曜日夜には水位が少し下がり補助的な放水路を強化する機会が出来たが、今週後半には新たな大雨が予想されており水位は満杯のレベルまで達する恐れがあり、非難した住民は帰宅の目途が立っていない。
トランプ大統領が選挙期間中に公約したように全国の道路、鉄道、空港、水路の修復について真面目に取り組むのであれば、カリフォルニアの中部山間部のような所から始める必要がある。この地域は、河川の管理により世界でも有数の肥沃な農地に生まれ変わったが、オロビルダムの状況が示すとおりダムや堤防は直ぐにも改修を要する。全米のダムの平均稼働年数は52年であり全米土木協会から落第直前のDランクを得ている。堤防の評価は更に悪くDマイナスである。協会は全米のインフラを修復するには2020年までに3.6兆ドルの投資が必要だと見積もっている。投資をしなければ2005年のハリケーンカトリーナがニューオーリンズの堤防を決壊させて物的人的大被害となったような大災害が再度発生する。
トランプ政権は1兆ドルのインフラ投資を議会に提案する予定であるが、共和党上院のマコーネル院内総務は多額の歳出に反対の立場であり、トランプ大統領が優先しているオバマケアの廃止と税制改革さえ議会で時間がかかっている状況ではインフラ投資議案の議会提出には数年を要するだろう。トランプ大統領が気候変動の影響に否定的なことも更に大きな問題である。カリフォルニアで経験したような5年間干ばつが続いた後大洪水に見舞われるような異常気象によりインフラの老朽化は更に進む。河川管理の専門家は、「気候変動が最大の問題であり、トランプ政権がこれにどう対応するのかが重要だ」と語ったと報じている。
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