安倍首相は今週訪米し、トランプ大統領との日米首脳会談を行う予定である。トランプ大統領は日曜ラジオで、「ランチを共にするより、ゴルフを一緒にプレーする方がお互いを理解できるのだ」と述べており、フロリダの別荘地では両首脳の共通の趣味であるゴルフ外交にも期待がかかる。一方で、先週マティス国防長官が訪日し、日米同盟の安泰を確認したが、トランプ大統領は月曜の米軍中枢部での演説で、同盟国には「妥当な軍事費の負担は要求する」と強調している。日米貿易不均衡に懸念を表し米国の雇用創出を急ぐトランプ大統領との「ディール」(取引)では、安倍首相は政策パッケージ「日米成長雇用イニシアチブ」を用意し10年計画での米国への巨額インフラ投資と70万人の雇用創出を提案したい構えである。その中身は米国の交通インフラ、ガス事業での日本企業からの協力等で、日本の銀行融資に加え年金積立金が米国で資金運用されるとの計画もある。また、米国の天然ガスの輸入拡大計画もあるという。
2月6日付
『ロイター通信』は「トランプと日本の安倍の首脳会談ではゴルフも」との見出しで以下のように報道している。
トランプ米大統領は、今週の首脳会談で安倍首相と一緒にゴルフをする予定で、「競争相手というよりはよいパートナーとなるだろう。彼はゴルフが好きだそうで、楽しくなるだろうが勝負は気にしない。」と述べている。金曜に安倍氏を迎えるトランプ氏は日曜の「ウェストウッド・ワン・スポーツ・ラジオ」でランチよりゴルフがお互いを知るためには有効だと語った。...
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2月6日付
『ロイター通信』は「トランプと日本の安倍の首脳会談ではゴルフも」との見出しで以下のように報道している。
トランプ米大統領は、今週の首脳会談で安倍首相と一緒にゴルフをする予定で、「競争相手というよりはよいパートナーとなるだろう。彼はゴルフが好きだそうで、楽しくなるだろうが勝負は気にしない。」と述べている。金曜に安倍氏を迎えるトランプ氏は日曜の「ウェストウッド・ワン・スポーツ・ラジオ」でランチよりゴルフがお互いを知るためには有効だと語った。コメントの内容はホワイトハウス(のホームページ)に掲載。
選挙中日本はトランプ氏の軍事費負担見直しと同盟関係を再考するとの発言に懸念を持っていた。マティス国防相は、日本訪問でアジアとの防衛協定の再確認をしたが、トランプ氏は月曜のフロリダのマクディル空軍基地での演説では、「米国は自由を守る闘いへの支援はする」が、「妥当な軍事費の負担は要求する」と強調している。
安倍首相との会談では、安全保障、貿易、金利政策が話合われる見通し。TPP離脱で米国は日本との2国間貿易交渉での早期進展を期待したい意向。日本側は、米国へのお土産にと、日本企業による米国インフラ投資と米国雇用創出包括プランの草案を作成中である。加えて米国からのエネルギー輸入を検討しているという。
同日付
『ウォールストリートジャーナル』は「トランプ氏との首脳会談で安倍氏は日本の米国投資プラン売り込みへ」との見出しで以下のように報道している。
日本政府筋によると、安倍首相はトランプ大統領による日本への貿易批判に対抗するために、米国巨額投資プランの進呈を計画しているという。「日米成長雇用イニシアチブ」と称された5つの大綱プランは、今後10年での米国での70万人の雇用創出、4500億ドル相当の新市場開拓についてのもので、この数値目標への具体的対策は含まれていないという。
米国の日本批判には、日本の約600億ドルの対米貿易黒字は大半が自動車や自動車部品輸出によるもので、米国車は日本では極めて限られているというものがある。日本政府は輸入車への関税がなく消費者がただ単に米国モデルに魅力を感じていない説明するが、米国メーカーの中には、日本には隠れた障壁があるという者もいる。日本はそのような批判を交わす目的で米国のTPP加盟を望んでいたが、トランプ大統領はTPPを撤退、2国間交渉を望んでいる。安倍氏は2国間交渉の可能性もあるとしているが、米国からの自動車輸出の圧力と円相場を懸念している。
ブランダイス国際ビジネススクール・国際財政学の教授は、「今回は多国間でなく、2国間交渉の場なので、米国はより多くの譲歩を迫ることだろう」と指摘する。
安倍首相の訪米計画に関わった日本の高官は、安倍氏はこの5大綱プランを通して、米国への協力体制をアピールしたいと考えているとしている。貿易不均衡是正に加え、米国の天然ガスの輸入拡大をも盛り込んだプランである。
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