1月19日付
『チャイナデイリー』『アイリッシュサン』:
水曜日オバマ氏は「ロシアの経済制裁の解除を核削減の取引に利用するのは間違っている。ロシアの経済制裁は元々ウクライナ危機や核問題だけでなく、あらゆる問題を包括しているのであって、その点を混同しないでほしい。」とロシアに対するトランプ氏の考えを批判した
また、「イスラエルのアメリカ大使館をエルサレムに移転する、というのは最も危険な行為で中東全体を混乱の恐怖に陥れる。」とトランプ次期大統領に警告とも取れる発言をしている。
また、オバマ大統領は「もともと次の大統領には古い価値観を壊してくれるような人物を期待していた。しかしトランプ次期政権には“何か間違った行動を起こせば必ず因果応報で悪い結果が起きる”、ということを理解してほしい。」とさらにトランプ氏を牽制するようなコメントを発した。また、オバマ氏は、「トランプ氏は“自分一人でアメリカの病める社会問題を解決する”と豪語しているが、大統領の職務は一人で遂行し問題を完結できるほど簡単なものではなく、多くの人の協力が必要である」と述べていて、トランプ氏の大統領職への考え方を否定しているともみられる。
また、記者会見の報道陣に対してオバマ大統領は、「あなたたちが記者会見でわたしたちに質問をする際は、おべっかやおせじをやたらと言ってネタを聞き出したり、記事の内容を誇張あるいは誇大宣伝したり、信憑性のないゴシップ記事を書く必要はありません。権力者に対しては常に疑いの目を持ち真実を聞いてください。私たちには真実を語る説明責任があります。国民もそれを望んでいます。」と述べ、以前から疑問視していたとされる記者やマスコミのあり方に対しても厳重な忠告をしたとみられる。
トランプ氏が「予期せぬ当選」を果たし大統領に選ばれたとき、オバマ氏はあえて論争はせずに「トランプ氏がスムーズに次期政権へ移行できるように支援した」という。
また、何度もトランプ氏とは電話で議論を重ね、ときには長時間にもおよぶこともあったという。
オバマ大統領は「大統領を退任した後はしばらく政治の第一線からは退きます。しかし、トランプ氏が“アメリカの正義や価値観”を壊すようなことがあれば私は即座に彼に対抗します。」と力強く述べている。しかし、「たとえトランプ氏が大統領になってもアメリカはいい方向に向かうと信じています。私は前向きに考えております。」と楽観的とも取れる発言もしている。
また、オバマ大統領は「この世界には確かに悪の力は存在します。しかし、私は善の力の方が強いと信じております。アメリカという国も国民のことも信じております。私たちが一日一日を精一杯生き懸命に働き、心に正直に生き正義を忘れない限り、悪よりも正義が勝ちます。私たち一人ひとりがその心がけを忘れなければ日々世界は少しずつよくなると思います。」と述べ、記者に対して大統領としての最後の言葉を締めくくった。
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