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【Globali】
気候温暖化:1.5℃の目標値を超えた後は気候を元どおりに戻すことは困難(2024/10/12)
『フランス・ルモンド誌』10月9日付けで、気候温暖化防止に関わるパリ議定書で定められた産業革命前からの平均気温の上昇値限界 (1.5℃)を超えた場合に、元に戻すことの困難さを検討した報告書が発表されたと伝えている。報告書では、炭酸ガス発生量を今、減少させることが、大気中の炭酸ガスを減少させる仮定的な技術を当てにすることより、重要であることを訴えている。
『ネーチャー』に投稿された今回の報告書は、EUの財政支援を受けて30人の科学者たちが3年半の期間をかけた研究成果をまとめたもので、1.5℃リミットを超えた場合、2100年の温暖化3.0℃に至るまでの多岐のシナリオを今回初めて発表している。
なお、「オーバーシュート」という言葉は益々、ひんぱんに科学分野の報告書や政治的な討議に使われるようになったが、意味するところは、気候変動に関しては、リミットを超えたが、元に戻ることを意味している。...
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『ネーチャー』に投稿された今回の報告書は、EUの財政支援を受けて30人の科学者たちが3年半の期間をかけた研究成果をまとめたもので、1.5℃リミットを超えた場合、2100年の温暖化3.0℃に至るまでの多岐のシナリオを今回初めて発表している。
なお、「オーバーシュート」という言葉は益々、ひんぱんに科学分野の報告書や政治的な討議に使われるようになったが、意味するところは、気候変動に関しては、リミットを超えたが、元に戻ることを意味している。すなわち、地球温暖化値1.5℃を超えたが、各国の技術的な増援でリミット値、1.5℃に戻ることを意味しているが、報告書では気候変動の殺人的な影響を回避できるという楽観的な考えに過ぎないと指摘している。
報告書では、2015年に採択された1.5℃限界値を目標とするパリ議定書が尊重されてきたが、現実問題として限界値を超えた場合、多くのリスクをはらんでいるという。幾つかの不可逆的な気候変動結果は避けられず、地球環境を限界値前に100%戻すことは不可能だと推論している。
今回の研究に携わった著者の1人、シュレスナー(オーストリア人)氏によれば、「地球は、産業革命前に比べて、温度上昇1.5℃に向かっており、現在すでに、温度上昇は1.3℃に到達していて、世界中に軒並み、洪水、熱波や森林火災が起こっている。」と指摘している。さらに、「たとえ1.5℃のリミットを超えてから、世界の平均温度を下げたとしても、気候と世界の環境は、超える前と同じではない。」と予測している。「最悪の被害を抑える唯一の方法としては、今から温室効果ガスの排出量を減らし続けるしかない。」と付け加えた。一方、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書によれば、1.5℃のリミットは2030年代の初頭に超えると予測されている。
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