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【Globali】
中東紛争:イランとイスラエル間の緊張状態が原油価格を上昇させる(2024/10/06)
『フランス・ルモンド誌』10月5日付けで、イスラエルのイラン石油施設インフラへの攻撃が行われれば、国際的な原油価格相場の上昇が予想されると伝えている。中東における紛争の拡大、すなわち、イランのイスラエルに対するミサイル攻撃とイスラエルの予想される反撃は、原油相場を刺激した模様で、4回の取引で、原油価格が、約9%近く上昇した。10月4日金曜日、北海ブレント原油の価格は、78ドル以上で取引を終了した。ウエスト・テキサス・インターメデイエイト原油についても、74ドル以上となった。
今回の原油価格の上昇は、イランの原油市場における重要性を反映しているという。国際エネルギー機関IEAによると、イランは、8月時点で日産340万バーレルの原油を生産しており、世界で7番目(2023年統計)の生産国となっている。なお、ウッド・マッケンジー・エネルギー研究所はイラン石油施設へのイスラエルの攻撃が起こった場合には、原油の国際市場価格がプラス10ドル上昇するものと予測している。
紛争の悪化で、原油相場の高騰の恐れを匂わせながらも、原油市場の専門家たちによると、イラン原油生産量の減少は、他の国の原油生産で償われると指摘している。...
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今回の原油価格の上昇は、イランの原油市場における重要性を反映しているという。国際エネルギー機関IEAによると、イランは、8月時点で日産340万バーレルの原油を生産しており、世界で7番目(2023年統計)の生産国となっている。なお、ウッド・マッケンジー・エネルギー研究所はイラン石油施設へのイスラエルの攻撃が起こった場合には、原油の国際市場価格がプラス10ドル上昇するものと予測している。
紛争の悪化で、原油相場の高騰の恐れを匂わせながらも、原油市場の専門家たちによると、イラン原油生産量の減少は、他の国の原油生産で償われると指摘している。国際エネルギー機関IEAによると、世界の原油生産量は、数か月先まで供給量が需要量より勝っているという。この原因は、米国、カナダおよびガイアナでの原油増産によると見られている。石油輸出国機構OPECと中心的な位置にあるサウジアラビアは、原油価格の低下防止のため、1日当たりの原油生産量を900万バーレルに抑えているが、さらに、300万バーレル増産できる余地があるという。そのため、事態が悪化したとしても原油価格の高騰は抑制されると予想されている。
ペルシャ湾岸地域は、イランによりホルムズ海峡が閉鎖されたとしたら事態が悪化すると予想されている。しかし、IRIS経済研究所のチェリー・コビル氏によると、「イランとしては、海峡の閉鎖は自分の首を絞めることになるので、そこまで行わないだろう。」という。ペルシャ湾において、ホルムズ海峡は世界の原油、天然ガス貿易の要となっている海域で、サウジアラビア、イラク、UAEやクウェートにおける輸出入品の出入り口になっている。そのため、イラン・イラク戦争(1980年~1988年)においても、多くのタンカーが沈められたことはあったが、この海峡は封鎖されることがなかった。
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