ロシアは、2022年ウクライナ侵攻による経済制裁の影響で世界の金融システムから外されている。そのため、中国人民元がロシアで最も為替運用されている外貨となっている。
しかし、ロシア国内での人民元の流通状態が悪化している。ロシアの企業にとって、今や人民元は中国との決済手段としての重要な生命線となっているという。
とりわけ、ウクライナ侵攻後、ロシア企業は中国側との商取引で人民元への依存度が増大している。...
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ロシアは、2022年ウクライナ侵攻による経済制裁の影響で世界の金融システムから外されている。そのため、中国人民元がロシアで最も為替運用されている外貨となっている。
しかし、ロシア国内での人民元の流通状態が悪化している。ロシアの企業にとって、今や人民元は中国との決済手段としての重要な生命線となっているという。
とりわけ、ウクライナ侵攻後、ロシア企業は中国側との商取引で人民元への依存度が増大している。
一方、中国は世界での影響力を拡大しようと考えている矢先に、ロシアとの商取引関係が2倍に膨れ上がっている。ロシアの人民元への過度の依存が重大なリスクを引き起こしている。すなわち、ロシアの銀行では人民元が欠乏に瀕しているが、これは、中国の銀行が国際的なロシアに対する制裁に協調して、ロシアの企業に対して制限しながら人民元決済しているからに他ならない。
すなわち、中国にとっては、このことは重要な要件になっていて、世界各国のロシアに対する経済制裁に歩調を合わせないと、中国自体が経済制裁を受けることになって欧州や北米の市場から締め出されるリスクが生じる。
なお、いくら人民元の流通がロシアで増えたとしても、主な世界通貨(米ドル、ユーロ)には影響を及ぼさない。人民元は、国際金融通貨としての存在感はなく、中国側での資金管理で制限されている。従って、ロシアで人民元の使用が増えたとしても、世界通貨としての米ドルの優位性には影響しないという。
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