パリ大会のメダル獲得数上位は、練習施設・コーチ等の支援・派遣費用援助等で優位に立つ先進国で占められている。しかし、人口当たりのメダル獲得数ランキング(注後記)をみると、練習施設も覚束ない途上国が上位となっている。因みに、最終日に金メダルの数で日本に逆転された豪州は、メダル総数では53個と日本を上回っているだけでなく、人口当たりのメダル獲得数でも8位に入っている。
8月12日付
『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙は、メダル獲得総数ではなく人口当たりメダル獲得数に着目して報じている。
パリ大会において、従来同様、米国と中国がメダル獲得数でしのぎを削っていて、金メダル数では40個で並んだが、メダル獲得総数では126個対91個で米国に軍配が上がった。
しかし、これら資金が潤沢にある国々と違って、支援に乏しい国については、人口当たりメダル獲得数でみると、これらスポーツ強国を遥かに凌ぐ成績を収めている。...
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8月12日付
『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙は、メダル獲得総数ではなく人口当たりメダル獲得数に着目して報じている。
パリ大会において、従来同様、米国と中国がメダル獲得数でしのぎを削っていて、金メダル数では40個で並んだが、メダル獲得総数では126個対91個で米国に軍配が上がった。
しかし、これら資金が潤沢にある国々と違って、支援に乏しい国については、人口当たりメダル獲得数でみると、これらスポーツ強国を遥かに凌ぐ成績を収めている。
すなわち、トップ3はカリブ海に浮かぶ小国で占められていて、人口当たりのメダル獲得数は、①グレナダ(銅2個):5万6千人/個、②ドミニカ国(金1個):6万7千人/個、③セントルシア(金1個、銀1個):9万2千人/個、である。
ドミニカ国に初めてオリンピック・メダルをもたらした、女子三段跳び優勝者のシーア・ラフォンド選手(30歳、米国籍も保有)は記者団のインタビューに答えて、“私の国は、皆さんが良く知るドミニカ共和国(スペイン語圏)ではなく、ドミニカ国(英連邦の一員で英語圏)でドミニカの発音も微妙に異なる”とした上で、“人口僅か7万人の国に初めての金メダルをもたらした”と誇らしげに語った。
また、ドミニカ国隣国のセントルシアのジュリアン・アルフレッド選手(23歳)も、女子100mで金、200mで銀と、母国に初メダルをもたらした。
同選手はインタビューで、“子供の頃は裸足で走り回っていた”とし、“母国には十分な練習施設がないので、今回の私の成績によって、母国政府が新しい競技場を建設する等、スポーツの支援策を強化・発展させてくれることを強く願っている”と訴えている。
なお、先進国の中では、④NZ(金10個、銀7個、銅3個):26万7千人/個、⑧豪州(金18個、銀19個、銅16個):51万6千人/個、と大健闘している。
(注)人口当たりメダル獲得数ランキング:①グレナダ2個(カリブ海、11万3千人)5万6千人/個、②ドミニカ国1個(カリブ海、6万7千人)6万7千人/個、③セントルシア2個(カリブ海、18万4千人)9万2千人/個、④NZ 20個(533万9千人)26万7千人/個、・・⑧豪州53個(2,736万5千人)51万6千人、⑨オランダ34個(1,797万8千人)52万9千人/個、・・㉓英国65個(6,759万6千人)104万人/個、㉔フランス64個(6,846万8千人)107万人/個、・・・(順位不詳)日本45個(1億2,437万1千人)276万4千人/個、米126個(3億4,347万7千人)272万6千人/個、中国91個(14億2,258万5千人)1,563万3千人/個
(参考)欧米諸国メディアのメダルランキング付け:金・銀・銅合わせた総数でランキング。同数の場合に、金・銀・銅の獲得数でランク付け。これでいくと、①米126個、②中国91個、③英国65個、④フランス64個、⑤豪州53個、⑥日本45個、⑦イタリア40個、⑧オランダ34個、⑨ドイツ33個、⑩韓国32個、⑪カナダ27個、⑫NZ 20
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