これまでは、海底での工業的な開発を推進してきた国々は、ISAの168か国の代表による全体会議で、海底採掘に関する正式な討議の開催することを拒否することに成功してきた。
今回は、討議自体は行われたが、キングストンでの一週間に及ぶネゴにも拘らず、海の環境の保護と維持に関する全体政策を目指した対話を開始するまでに至らなかった。
中国、サウジアラビアおよびアフリカ諸国などの多くの代表団は、法案の文面に明確さに欠けるとして非難し、全体会議はこの種の法案の決定機関ではなく、
法案の決定は、36か国から構成された委員会に委ねられるのが好ましいと主張している。...
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これまでは、海底での工業的な開発を推進してきた国々は、ISAの168か国の代表による全体会議で、海底採掘に関する正式な討議の開催することを拒否することに成功してきた。
今回は、討議自体は行われたが、キングストンでの一週間に及ぶネゴにも拘らず、海の環境の保護と維持に関する全体政策を目指した対話を開始するまでに至らなかった。
中国、サウジアラビアおよびアフリカ諸国などの多くの代表団は、法案の文面に明確さに欠けるとして非難し、全体会議はこの種の法案の決定機関ではなく、
法案の決定は、36か国から構成された委員会に委ねられるのが好ましいと主張している。
なお、海洋における権利に関する国連規約に基づいて、ジャマイカに拠点を持つISAが、各国の経済海域から外れた海域の海底保護を担うと同時に、希望された鉱物に関する採掘活動を組織する役割を担ってきた。
ISAの助言は、海底開発の契約に関わっていて、10年以上前から採掘規則を協議してきた。特に、ニッケル、コバルト、銅などの採掘から得られる金属は、電気自動車のバッテリーの原料となり、再生可能エネルギー転換においては重要な鉱物となってきている。
しかし、1年前から採掘規則が制定されていないにも拘わらず、どんな国でも開発企業の名の下で、開発契約の要求をISAに要求するようになった。例えば、ニューギニア島の北東に位置するナウル島では2021年に開発計画の要求を開始している。開発企業は、カナダ企業の子会社で、太平洋海底の金属リュウ塊の採掘を計画中である。ナウルのダビッド・アデアング大統領は、ISA委員会にこれまでの予定通り、2025年には採掘の法規を成立させ、制定することを呼びかけている。
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