米国政府は6月21日、ロシアのカスベルスキー社の12人の経営責任者に対して経済制裁を科すことを決定した。米国財務省のテロ対策、財務情報担当のブライアン・ネルソン副長官は、「個人に対する制裁を科したのは、米国市民をネット環境での悪意のある脅威から守るためである。...

米国政府は6月21日、ロシアのカスベルスキー社の12人の経営責任者に対して経済制裁を科すことを決定した。米国財務省のテロ対策、財務情報担当のブライアン・ネルソン副長官は、「個人に対する制裁を科したのは、米国市民をネット環境での悪意のある脅威から守るためである。」と言明した。

米国商務省のコミュニケによると、「カスペルスキー社のソフトウエアを米国で売ることとすでに使用されているソフトウエアのアップデートを禁止することに加えて、提携会社、系列会社やカスペルスキー社の親会社も制裁の対象になる。」という。ただし、カスペルスキー社の米国での活動は、使用者が別のウイルス対策ソフトに置き換えるまでの期間として、9月29日まで限られた期間で使用許可されるとしている。

カスペルスキー社は、即座にコミュニケで「現状の地政学環境と単純な恐怖に基づき取られた米国の決定に対し強く非難し、このことが、サイバー犯罪を助長することになる。」と反論した。同社としては、今回の米国の決定に屈せず、世界のサイバーセキュリテイでの企業活動は続けていくと宣言した。

なお、カスペルスキー社は、世界31か国に拠点を持つ多国籍企業で、200か所の国や地域に顧客を持っている。同グループはウイルス対策ソフトウエアやその他のサイバーセキュリテイ関連のソフトウエア販売や関連サービスの提供を世界の4億人以上の個人ユーザーと27万企業に対して行っている。