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【Globali】
フランス:欧州議会の選挙開票後、大統領はいきなり下院を解散すると宣言(2024/06/12)
『フランス国際ラジオ局(RFI)』6月10日付けによると、9日日曜日の夜、欧州議会の開票結果で国民連合(RN)の大躍進が明らかになった後、マクロン大統領が、ポピュリスト党のRNの主張どおりに、国民議会(下院)の解散を宣言した。このような例は1997年以降、初めてのケースとなる。従ってフランスの有権者は欧州議会選挙の後に再び、新たな国民議会選挙の投票を、6月30日と7月7日に行うことになる。しかし、マクロン大統領はこの選挙で何か目算があるのか?
マクロン大統領の下院解散の宣言に、RN自体もあっけを取られた感があった。 下院解散は、自分たちの主張ではあったものの、大統領が解散宣言するとは予想もしなかった模様であった。そのため、RNは選挙後のパーティもそこそこに切り上げ、党本部に戻り、早速執行会議を開いた。フランス憲法の規定によると、3週間以内に最初の投票日となるので、下院議員の選挙運動は一刻も早く始める必要がある。
各政党は、数日中に国民議会の議員候補者リストを作成する必要があるが、選挙区によっては他党との共闘関係を結ぶケースもあるので大忙しとなる。...
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マクロン大統領の下院解散の宣言に、RN自体もあっけを取られた感があった。 下院解散は、自分たちの主張ではあったものの、大統領が解散宣言するとは予想もしなかった模様であった。そのため、RNは選挙後のパーティもそこそこに切り上げ、党本部に戻り、早速執行会議を開いた。フランス憲法の規定によると、3週間以内に最初の投票日となるので、下院議員の選挙運動は一刻も早く始める必要がある。
各政党は、数日中に国民議会の議員候補者リストを作成する必要があるが、選挙区によっては他党との共闘関係を結ぶケースもあるので大忙しとなる。今後は、各政党の議員たちは下院議員運動でてんてこ舞いとなり、今まで審議していた法案、例えば、自己の‘死の選択自由権’に関する法案などは、審議の中断を余儀なくされるという。
なお、新聞報道によると、RNは、下院議員選挙でも勝利するかも知れないと予想している向きもあるが、フランスには計577の選挙区があり、RNは先週、その中でようやく、300人の公認候補を決定したという。残された選挙運動期間で、RNの活動家たちの中から適材を掘り起こすことができるかもしれないが、議員候補を決定するには多くの時間がかかり、RNとしては不利となる。
一方、マクロン大統領の下院解散の目的は何にあるのかは想像しがたいが、元下院議長の言によれば、大きな‘ばくち’を打つ意味合いがあるという。大統領の直近のSNSで「私はフランス国民が公正な選択を下院議員選挙で行うものと信じている。」と語っている。すなわち、下院議員選挙では、極右政党(RN)や極左政党を排除した政党のもとに得票数が集まることを期待している。
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