欧州、特にEUの思惑としては、現在使用されている希土類の98％が中国から輸入に頼っているが、ノルウエーはEU加盟国とは緊密な関係があるので、これからはノルウエーからの希土類の輸入により、この分野で中国への依存からの解放されるものと期待している。...

欧州、特にEUの思惑としては、現在使用されている希土類の98％が中国から輸入に頼っているが、ノルウエーはEU加盟国とは緊密な関係があるので、これからはノルウエーからの希土類の輸入により、この分野で中国への依存からの解放されるものと期待している。　　　

とりわけ、2023年末に中国は突然、多くの希土類鉱石の処理技術の輸出を停止すると発表して世界を仰天させた。中国の意図は、輸出先の国での希土類鉱脈の開発を妨害することで中国依存の体制を維持させたいことにあった。

すなわち、希土類鉱石が先端技術の主権に関わる要件を構成するため、今から2040年までに世界での希土類鉱石の需要は7倍に増大すると予想されている。それもそのはずで、希土類鉱石は、エネルギーのエコロジー的な転換に不可欠な材料となっている。ノルウエー希土類グループのアルフ・レイスタッド会長は、「我がグループの目標は、鉱石から磁石素子までの一貫したコンパクトな、環境への負荷の少ないバリューチェイン構築に貢献したい。」と明言した。　ちなみに、希土類鉱石は風力発電設備や電気自動車の製造に重要な材料を提供している。なおノルウエー希土類グループの正念場はこれからで、新たな鉱脈開発には8.67億ユーロ（＝約1500億円）の費用が必要で、最短でも2030年までの期間がかかると予想されている。