オーストラリア保安情報組織(ASIO)の総務理事、マイク・ブルゲス氏は2月28日水曜日、首都キャンベラでの演説で、「この元政治家は、祖国、自分の政党、および、かつての同僚たちの情報を海外政権の利益のために売ってきた。」と強く非難した。しかし、ブルゲス氏は、現時点ではスパイ活動に関わった元政治家や国名の明言を避けている。
ブルゲス氏によると、この元政治家は、数年前からスパイ組織に雇われ、オ―ストラリア首相の家族も‘スパイ活動のターゲット’に含めることを計画していたという。...
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オーストラリア保安情報組織(ASIO)の総務理事、マイク・ブルゲス氏は2月28日水曜日、首都キャンベラでの演説で、「この元政治家は、祖国、自分の政党、および、かつての同僚たちの情報を海外政権の利益のために売ってきた。」と強く非難した。しかし、ブルゲス氏は、現時点ではスパイ活動に関わった元政治家や国名の明言を避けている。
ブルゲス氏によると、この元政治家は、数年前からスパイ組織に雇われ、オ―ストラリア首相の家族も‘スパイ活動のターゲット’に含めることを計画していたという。しかし、この目標は未完に終わったという。このようなオーストラリアASIOの行っている逆スパイ活動の公の発表は非常にまれなことで、大衆から活発な反応があり、特に元政治家の素性を公表して欲しいとの声が多く上がっている。
オーストラリアの野党保守派政党のピーター・ダットン党首は、ラジオ番組で「ブルゲス氏が、元政治家の素性を公表できないのは、現時点での調査の結果、他の人たちにもスパイ容疑がかけられているためだ。」と語った。さらに、ブルゲス氏に対し、その元政治家の素性に関し、さらにヒントを与えてくれるように要求している。ブルゲス氏によると、この外国スパイ組織は、‘Aチーム(オーストラリア・チーム)’と呼ばれるチームで活動しているという。
なお、今回、ASIOが外国スパイ組織の存在を公表した目的は、このスパイ組織の活動に揺さぶりをかけること、組織のリーダーたちにスパイ活動が暴かれていることを知らせることと、オーストラリア人に対し、巧妙な外国スパイ活動に注意を促すことにあると説明した。
ところで、オーストラリアは、5カ国(米国、カナダ、英国、ニュージーランド、およびオーストラリア)の国家情報機関連合、5つの目(Five eyes)のメンバーで、中国やロシアのスパイ組織にとっては、格好の標的とされている。
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