過去2年間でロシアは、経済制裁をかいくぐる新たな方法を探して適応してきた。中央アジアのキルギス共和国などは欧米製品の転送を行う巨大なプラットフォームになっているという。
キルギスの首都ビシュケクには、ドルトイ市場やオシュ市場があるが、ここではコンテナーを積んだトラックが通路に連なっている。他方では数メータ高さの荷袋を積んだトラックが道路にひしめき合っている。どちらの市場も軍事物資の店が多く軒を連ねている。...
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過去2年間でロシアは、経済制裁をかいくぐる新たな方法を探して適応してきた。中央アジアのキルギス共和国などは欧米製品の転送を行う巨大なプラットフォームになっているという。
キルギスの首都ビシュケクには、ドルトイ市場やオシュ市場があるが、ここではコンテナーを積んだトラックが通路に連なっている。他方では数メータ高さの荷袋を積んだトラックが道路にひしめき合っている。どちらの市場も軍事物資の店が多く軒を連ねている。
各市場では、靴、衣服、リュックサック、医薬品、軽機関銃など、多種多様な製品が販売されていて、品質も千差万別だという。一般作業用のユニフォームにはロシア軍仕様のものも含まれているが、店の販売員の話によると、「ユニフォームなどの商品はキルギスや中国の服飾雑貨メーカーで製造されている。確かに‘ロシア’と書かれていたり、ロシア国旗が付いていたりするが、特別な意味はなくキルギス国内向けの作業服用途で製造され、販売されている。」という。
キルギスでの過去2年間の経済発展での注目点は、工業製品のロジィステイックシステムの機能が格段に進歩したことだという。
ロシアに目を向けると、ロシアのスーパーでの売り場にはキルギス産ペプシが並んでいて、経済制裁を逃れて、キルギス経由でロシアに輸入されているEUや米国の商品が多く見られるという。仏IESEG経営大学院の調査によると、2021年、第3四半期から2023年、第3四半期までのEU諸国からアルメニアへの輸出量は190%、ウズベキスタンへは349%、キルギスへは621%増加している。なお、EUは、キルギスを含む中央アジア諸国に対し、ロシアとの商取引で2次的な経済制裁を科すかについては躊躇しているが、米国は経済制裁の効果を上げるため、早急な2次的な経済制裁の必要性を同盟国に説得しつつある。
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