意外なのは、このストの原因である。職員たちは、給料の値上げや労働環境の改善を要求しているのではなく、何にもましてエッフェル塔の状態が危険状態にあるとして、この歴史的な建造物を老朽化から守るため、今回のストを立ち上げている。すなわち、2つの労働組合組織、CGTとFOは、エッフェル塔の運営会社(Sete)株の99%を所有するパリ市に対し、財政管理の悪さを強く非難している。
パリオリンピックが迫っていることと最近の入場者数の増加を考慮し、パリ市は、エッフェル塔の市への納付金をこれまでの3倍に増やして、5000万ユーロ(=約80億円)とすることを決定している。...
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意外なのは、このストの原因である。職員たちは、給料の値上げや労働環境の改善を要求しているのではなく、何にもましてエッフェル塔の状態が危険状態にあるとして、この歴史的な建造物を老朽化から守るため、今回のストを立ち上げている。すなわち、2つの労働組合組織、CGTとFOは、エッフェル塔の運営会社(Sete)株の99%を所有するパリ市に対し、財政管理の悪さを強く非難している。
パリオリンピックが迫っていることと最近の入場者数の増加を考慮し、パリ市は、エッフェル塔の市への納付金をこれまでの3倍に増やして、5000万ユーロ(=約80億円)とすることを決定している。
エッフェル塔で働く労働組合員の指摘する問題は、パリ市が予想している入場者の数は、空想的な数値である点にある。とりわけ、入場者数が予想より少なかった場合、重要な保全、修理費用が捻出できなくなることを懸念している。
通常は7年ごとに行っていたエッフェル塔の塗装作業は、現在の所14年間も行っていない。その他の修繕工事も、コビッド19感染流行の影響を受けて延期していて、現在もなお実現していないとのことである。多くのエッフェル塔の労働者が指摘するのは、塔の足元部分に錆が出ていて、錆落としや塗装工事が必要なことは一目瞭然にわかるという。
エッフェル塔の労働者たちは、パリ市との同意が得られるまでは入場禁止となっていて迷惑をかけるが、‘エッフェル塔の将来がかかっている’と理由で見学者たちの理解を求めている。
エッフェル塔は、2つの労働組織の代表によりパリ市によるエッフェル塔の財政運営に反対したストにより、2月19日、20日の2日続けての入場禁止状態が続いている。パリ市は、2月20日時点でエッフェル塔運営会社の労働組合との一切の協議を拒否しているという。
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