ショルツ首相は、米国訪問の手土産に、この度、EUで決定されたウクライナ軍事援助予算の500億ドル（＝約7.5兆円）を携えてきている。これが、米国議会で未承認のままで止まっている600億ドル（＝約9兆円）のウクライナ軍事援助予算と好対照をなしている。...

ショルツ首相は、米国訪問の手土産に、この度、EUで決定されたウクライナ軍事援助予算の500億ドル（＝約7.5兆円）を携えてきている。これが、米国議会で未承認のままで止まっている600億ドル（＝約9兆円）のウクライナ軍事援助予算と好対照をなしている。

ショルツ首相は、米国議会の議員たちと会い、ウクライナ支援予算の議会承認を促すように説得を試みるものと見られる。首相は、ドイツが米国に次いで2番目のウクライナへの軍事支援国で、欧州の他の国に対しても、ドイツに見習って支援を増やすように迫ってきた。しかし、ショルツ首相は、ワシントンでは米国議会に自分の主張をゴリ押しする‘リスク’を犯したくないと考えている。　

すなわち、首相としては、もしウクライナへの軍事支援が米国議会で採択されなくて、ドナルド・トランプ氏が政権に返り咲いたとしたら、ドイツと米国の関係が手に負えない状況になることをよくよく承知しているからである。