『フランス国際ラジオ局（RFI）』、11月25日付けによると、米国では毎5時間ごとに女性がパートナー、もしくは元パートナーにより殺害されているという。連邦捜査局（FBI）の2021年データによると、夫婦間におけるフェミサイド犠牲者は約1700人になるという。

同じ人口当たりで比べると、米国の犠牲者数は、フランスの3倍に相当するという。この数は、年々増加しているという。ところが、‘フェミサイド‘という言葉は米国の国民の間で完全に無視されているという。メデイアや政界の責任者たちは、この11月25日時点においてもフェミサイドに関しては沈黙を保っていて、あたかも何もなかったように振る舞っている。しかし、一方で2023年には850人近くが犠牲者になっているという。...

同じ人口当たりで比べると、米国の犠牲者数は、フランスの3倍に相当するという。この数は、年々増加しているという。ところが、‘フェミサイド‘という言葉は米国の国民の間で完全に無視されているという。メデイアや政界の責任者たちは、この11月25日時点においてもフェミサイドに関しては沈黙を保っていて、あたかも何もなかったように振る舞っている。しかし、一方で2023年には850人近くが犠牲者になっているという。

この件に関連した事項について議論することは問題がないという。なぜなら、‘現在の米国社会が抱えている大きな問題が背景にある’とサンジエゴ大学のキマラ・プライス教授は指摘している。プライス教授によると、‘フェミサイドの問題は、米国における銃規制の問題に結びついている’という。

米国では最近、銃による暴力事件が広がりを見せており、フェミサイドについて語る時もその第一原因は何かを頭に思い浮かべることになる。米国人にとって第一原因は、銃の所持を許可していることにあるという。事実、米国での半分以上のフェミサイドは、銃によってもたらされているという。

なお、フェミサイドという犯罪の特殊性は、多くの場合、犠牲者が殺人者と親密な関係にあるということである。プライス教授によれば、このことがフェミサイドに関してオープンに議論することを妨げているという。すなわち、この犯罪を重要視しないのは、これが公共の場で起こっている犯罪ではなく、夫婦2人の関係で起こっており、これを詮索することは‘よし’としない風潮による。なお、フェミサイドに至る暴力的な夫婦関係は、情痴問題ではなく、支配と抑圧の関係にすぎないという。

しかし、フェミサイドの夫婦関係に関わる特殊性により米国民の議論の対象としては取り上げられず、2024年の大統領選挙では専ら、妊娠中絶が政策論争の1つの焦点になっている。