しかし、ストライキは不可避と見られ、米国の自動車業界に激震が走るものと予想されている。数か月前から、米国自動車労働組合(UAW)は、フォード社、GM社およびステランティス社のビッグ3各社と協議を行っていて、集団での新しい協定の作成を試みている。現在まで有効となっていた協定は2008年の金融危機に制定されたもので、9月14日夜には効力を失うことになっている。
2008年においては、自動車業界の労働組合は、財政的に締め付けられていた自動車製造企業を援助するために大きな譲歩を行った。...
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しかし、ストライキは不可避と見られ、米国の自動車業界に激震が走るものと予想されている。数か月前から、米国自動車労働組合(UAW)は、フォード社、GM社およびステランティス社のビッグ3各社と協議を行っていて、集団での新しい協定の作成を試みている。現在まで有効となっていた協定は2008年の金融危機に制定されたもので、9月14日夜には効力を失うことになっている。
2008年においては、自動車業界の労働組合は、財政的に締め付けられていた自動車製造企業を援助するために大きな譲歩を行った。 しかし、今回は、状況が変わっており、15万人の組合員が登録するUAWとしては、以前のような譲歩はできないという。
UAWとしては、これまで膨大な利益を享受しているビッグ3各社に対し、従来の譲歩による空白を埋めることを要求している。
具体的には、UAWは、大巾な給料上昇を要求している。4年間で40%以上の上昇で、これは、最近の数年間、会社の幹部に与えられたのと同様の報酬増加に相当するという。
さらに、UAWは、週32時間労働と退職制度計画と10カ所の電気自動車バッテリー工場での各代表者の選出を希望している。また、電気自動車への生産変更に伴う雇用の安定対策に関してもビッグ3各社に特別な要求を行っている。
これに応えて、ビッグ3各社は、UAWの要求より少ない額での給料上昇での提案を行った。フォードの社長によると、80年間で最も良い給料上昇であると説明している。 さらに、企業家が許容できる範囲には限界があり、1週間32時間で、実働4日間という提案は受け入れられないと語った。
デトロイト自動車ショーが水曜日から開催されている中で、ビッグ3各社とUAW間の交渉は暗礁に乗り上げた感がある。会社側の提案とUAWの要求には大きな隔たりがあり、UAWのショーン・フェーン組合長は、「今までにないような方式でのストライキを計画している。」と語った。今週の9月15日朝から一部の工場でストが開始される。
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