この穀物供給計画は、ウクライナのゼレンスキー大統領により発案されたもので、ウクライナ戦争でいっそう悪化した食糧危機の犠牲になっているアフリカ諸国に援助の手を差し伸べようという目的を持つ。
巨大な穀物輸送船を使ってウクライナのオデッサ港から、ケニアのモンバサ港に到着するのに1か月以上かかった。黒海の横断は、人道回廊を使うことで可能となったが、船長によると、黒海内ではロシア側の武器の有無を調べる船内貨物検査により航行日数がかかったという。...
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この穀物供給計画は、ウクライナのゼレンスキー大統領により発案されたもので、ウクライナ戦争でいっそう悪化した食糧危機の犠牲になっているアフリカ諸国に援助の手を差し伸べようという目的を持つ。
巨大な穀物輸送船を使ってウクライナのオデッサ港から、ケニアのモンバサ港に到着するのに1か月以上かかった。黒海の横断は、人道回廊を使うことで可能となったが、船長によると、黒海内ではロシア側の武器の有無を調べる船内貨物検査により航行日数がかかったという。
国連の世界食糧プログラム(Pam)により欧州の多くの国が資金を出し合って、総計2.5万トンの小麦が輸送された
ウクライナの駐ケニア大使ブラベドニック氏によれば、ケニアへのウクライナ産小麦の供給は次のような象徴的な意味があるという。すなわち、「ウクライナへのロシアの侵略にも関わらず、ウクライナはケニアに小麦を届けることができて満足している。世界の食糧の安全供給は、ウクライナ国の責任を果たすと同時に、外交的な効力がある。すなわち、ケニアやアフリカ諸国に、ウクライナが正しいか、もしくはロシアが正しいかを明確に示すことができる。」と語った。
この小麦供給は、正に食糧危機に遭遇した時期に行われた。ケニアの副大統領は、「四季を通じて水不足に悩まされている中にあって、ウクライナからの小麦は誠に貴重である。ケニアでは500万人以上が飢えのため命を落としている。」と窮状を訴えるとともに、ウクライナへの感謝を表した。
なお、オデッサから黒海経由で輸送されたウクライナ産の小麦は、ケニア北部に分配される。
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