3月13日月曜日、ストックホルムの平和国際研究所(Sipri)は軍備に関する年次報告書を発表した。報告書によると、一週間のうちに莫大な量の武器注文を行ったためにインドが世界1の武器輸入国となった。
インドでは、2つの相反する要件に直面している。1つは、インド・太平洋海域での中国進出の脅威や隣国のパキスタンに対抗するため、軍備増強が要求されている。他方では、ナレンドラ・モデイ首相の掲げる、軍備の自給自足体制への大計画に沿った、輸入に頼らず国内生産を達成する方針がある。...
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3月13日月曜日、ストックホルムの平和国際研究所(Sipri)は軍備に関する年次報告書を発表した。報告書によると、一週間のうちに莫大な量の武器注文を行ったためにインドが世界1の武器輸入国となった。
インドでは、2つの相反する要件に直面している。1つは、インド・太平洋海域での中国進出の脅威や隣国のパキスタンに対抗するため、軍備増強が要求されている。他方では、ナレンドラ・モデイ首相の掲げる、軍備の自給自足体制への大計画に沿った、輸入に頼らず国内生産を達成する方針がある。
しかし、インドでは軍備に関しては‘メイド・イン・インド’は達成されていないのが実情である。
Sipriによると、インドは冷戦時代の終結以降、世界で最も武器輸入の盛んな国であった。 インドでは国内の武器生産には技術的に問題ないが、民間の兵器産業の発展は遅く、官僚的になる傾向がある。 そのため、インドが最近発注したブラーモス・ミサイルはロシアで開発されている。インドでは技術を製品化する速度が遅く、インドで製作された武器もほとんどが外国のライセンスで製作されているという。
2018年―2022年の期間、インドの武器輸入の世界全体に占める割合は、11%でサウジアラビア(9.6%)を越して、世界でNo.1となっている。
なお、ロシアはソ連時代からインドにとって重要な武器供給国となっていて、この状況はウクライナ戦争が起こっても変っていないが、この戦争のためにロシアからの武器供給が遅れているという。 ロシアとしては、引き取り先の少なくなった原油を格安でインドに輸出しており、欧米諸国からの厳しい経済制裁の中にあって貴重な収入源となっている。
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