北朝鮮が3月16日早朝、大陸間弾道ミサイルを発射したが、仮想敵とする北朝鮮に対峙するため関係改善を目論んだ日韓首脳会談を牽制するためとみられる。そして今週、同じく仮想敵とされている中国が、日韓のみならず米国との3ヵ国連携が強化されることを懸念してか、沖縄県石垣島に自衛隊駐屯基地を造設しようとしている日本を牽制するため、尖閣諸島付近で操業している日本漁船に対して威圧的行動に出ている。
3月16日付米
『AP通信』、欧米
『ロイター通信』は、「中国海警局艦船、東シナ海の領有権問題となっている尖閣諸島海域に進入」として、4年振りに日本で開催される日韓首脳会談を牽制するためか、東シナ海の尖閣諸島海域における中国当局の活動が俄かに厳しくなっていると報じている。
中国海警局(2013年改編)の艦船が3月15日、日本と領有権問題となっている東シナ海尖閣諸島(中国名釣魚島諸島)海域で操業していた日本漁船を強制的に同海域から追い出した。...
全部読む
3月16日付米
『AP通信』、欧米
『ロイター通信』は、「中国海警局艦船、東シナ海の領有権問題となっている尖閣諸島海域に進入」として、4年振りに日本で開催される日韓首脳会談を牽制するためか、東シナ海の尖閣諸島海域における中国当局の活動が俄かに厳しくなっていると報じている。
中国海警局(2013年改編)の艦船が3月15日、日本と領有権問題となっている東シナ海尖閣諸島(中国名釣魚島諸島)海域で操業していた日本漁船を強制的に同海域から追い出した。
当局の剛与報道官(ガン・ユー)は声明で、“中国領海内で日本漁船が違法操業していたので、通常の手続きに則って退去を求めたものだ”と言及している。
これに対して、日本の海上保安庁は3月16日、海警局艦船が尖閣諸島の日本領海内に無断進入してきたので、操業中の日本漁船に無闇に近づかず速やかに退去するよう繰り返し要求した、と発表している。
中国にとって東シナ海は、多くの国と領有権問題を抱える南シナ海と比べて最大関心事となってはいないが、日本が第二次大戦時に中国大陸に軍事侵攻して来た際に、釣魚島諸島も不法に占拠したと主張して、これまでも何度も海警局艦船や武装漁船を同海域に進入させてきている。
この背景には、ジョー・バイデン大統領(80歳、2021年就任)が今年1月に岸田文雄首相(65歳、2021年就任)と会談した際、中国や北朝鮮の脅威に備えるため、防衛力を増強するよう日本に求めており、この一環で日本による沖縄県西部離島での基地建設に拍車がかかっていることが挙げられる。
また、米国は、中国対峙のために日米韓3ヵ国の連携強化を訴えており、この関係で日韓両国の関係改善を強く求めている。
かかる経緯もあって、両国首脳が3月16日、2019年以来となる直接会談を行う予定となっている。
なお、両国間の歴史問題の再燃もあって、両国首脳の相互往来外交は2011年以降途絶えていた。
閉じる