南米のブラジルとアルゼンチンでは、数年前から通貨の統一が検討されており、今週の中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)サミットにあわせて正式に発表される見込みだという。2国間から始まり、南米諸国への拡大でユーロ圏に次ぐ通貨圏の形成が期待されているという。
1月23日付
『ロイター通信』:「ブラジルとアルゼンチンが共通通貨協議」:
ブラジルとアルゼンチンは、共通通貨の開発を含む経済統合を目指しており、ブラジルのルラ大統領とアルゼンチンのフェルナンデス大統領は、アルゼンチンのウェブサイト「ペルフィル」掲載の共同文書で、規則の簡素化と近代化、通貨使用奨励の方針について述べている。
共通通貨案は昨年のブラジルの財務相と秘書官の文書で出されたもので、当時遊説中のルラ大統領もこれに言及していた。...
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1月23日付
『ロイター通信』:「ブラジルとアルゼンチンが共通通貨協議」:
ブラジルとアルゼンチンは、共通通貨の開発を含む経済統合を目指しており、ブラジルのルラ大統領とアルゼンチンのフェルナンデス大統領は、アルゼンチンのウェブサイト「ペルフィル」掲載の共同文書で、規則の簡素化と近代化、通貨使用奨励の方針について述べている。
共通通貨案は昨年のブラジルの財務相と秘書官の文書で出されたもので、当時遊説中のルラ大統領もこれに言及していた。
ルラ氏は就任後最初の遊説先に慣例となっている最大貿易相手国アルゼンチンを選んだ。ボルソナロ前大統領時代から4年緊張状態が続いていたが、今回の訪問は、ブラジルが2019年にボルソナロ政権のもとキューバとベネズエラが参加していることを理由として脱退したラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(CELAC)への回帰ともなる。
両国は、関係樹立の必要性や、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイからなるする南米南部共同市場(メルコスール)の強化を強調している。
今週ブエノス・アイレスで開催されるCELACサミットで協議される予定で、ブラジルは通貨統一により地域の貿易を促進し、米ドルへの依存を減らすことを目指しているとされる。首脳のアルゼンチン訪問時に正式に発表されるとみられている。
統一通貨案については2019年から両国の間で協議が重ねられてきたが、ブラジルの中央銀行の反対に合っていた。二国間から後にラテンアメリカ諸国への統一拡大を狙う。
22日付米『フィナンシャル・タイムズ』:「ブラジルとアルゼンチンが共通通貨への準備開始」:
今週、南米の2大経済大国が、共通通貨に向けた準備開始を発表するとみられる。共通通過にはランテアメリカ諸国が加わり、世界第二位の通貨同盟の形成が期待されている。
南米全体が加われば、世界のGDPの5%にあたる通貨統合となる。世界最大のユーロ圏はドル換算で世界のGDPの14%を占める。他の共同通貨圏では、アフリカ諸国で使用されるCFAフランや東カリブ・ドルがあるが、これらは世界経済でみればかなり小規模だ。統合の成果が実現されるのはずっと先となる。欧州ではユーロの形成まで35年を要した。
両国は過去数年通貨について協議をしてきたが、中央銀行の反対で失敗に終わった。しかし現政権が共に左翼の大統領であるため、政治的な支持を得やすい背景となった。
両国間の貿易は、2022年には前年同時期比で21%増加。パラグアイやウルグアイが参加する南米南部共同市場(メルコスール)を主導する存在となっている。
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