保守政権からの財政上の圧力と視聴者たちのBBC離れの風潮の中で、この5月BBCは抜本的な変革計画を発表した。目標は、5億ポンド(=約7.6兆円)の経費削減を行って 視聴料金の凍結で生じた負債を埋め合わせとデジタル化を進めるための投資額の捻出を目指している。
名声高いBBCワールドサービスにより毎週、世界中の3.65億人視聴者に情報を提供しており、英国の主なソフトパワー戦略を担っていたが、今回の発表によりギロチンが落とされた感がある。...
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保守政権からの財政上の圧力と視聴者たちのBBC離れの風潮の中で、この5月BBCは抜本的な変革計画を発表した。目標は、5億ポンド(=約7.6兆円)の経費削減を行って 視聴料金の凍結で生じた負債を埋め合わせとデジタル化を進めるための投資額の捻出を目指している。
名声高いBBCワールドサービスにより毎週、世界中の3.65億人視聴者に情報を提供しており、英国の主なソフトパワー戦略を担っていたが、今回の発表によりギロチンが落とされた感がある。
22000人の従業員のうち、BBCグループの1000ポストの削減で382人が離職し、年間2850万ポンド(=約38.5億円)節約できるという。
BBCのコミュニケによると、この計画でアラビア語、ペルシャ語、中国語のラジオ放送が廃止され、アフリカやアジアでの多くのテレビ番組が中止されるという。
しかし、BBCのコミュニケではこれまで提供している外国語での41種類のサービスが、いずれも廃止されることはないと明言している。約半分の放送がインターネットによるオンラインでのみしか視聴できなくなり、サービスのいくつかはロンドン局からタイ語の場合はバンコック局で、アフリカのニュースダイジェストはナイロビ局で各編集を行うという。
なお、BBCの外国語に編集された番組は、メデイアの独立性や報道の自由が制限されている国々では貴重な情報源となっている。
日本でも馴染み深いBBCの放送が縮小されるのは残念な気もするが、世界的なデジタル化の潮流の中で致し方ないのかもしれない。
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