ドイツは着々とロシアとのエネルギー的な関係を減らしており、9月16日金曜日にドイツ政府は、ロシアの石油会社のドイツ子会社であるロスネフト・ドイツを政府の管理下に置くことを発表した。なお、ロスネフト石油会社のドイツ子会社は、これまでドイツ国内のシュベットを含む3つの拠点を運営し、ドイツ国内の全石油精製能力の12%をまかなってきた。
ドイツ西部のユーリッヒ・エネルギー問題研究所のストルテン所長によると、「ウクライナ戦争下において、ロシアに対する欧米諸国のロシアに対する経済制裁を実行している最中にドイツにとって重要なエネルギー設備をロシアの企業グループに委ねることは難しいと判断した。...
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ドイツは着々とロシアとのエネルギー的な関係を減らしており、9月16日金曜日にドイツ政府は、ロシアの石油会社のドイツ子会社であるロスネフト・ドイツを政府の管理下に置くことを発表した。なお、ロスネフト石油会社のドイツ子会社は、これまでドイツ国内のシュベットを含む3つの拠点を運営し、ドイツ国内の全石油精製能力の12%をまかなってきた。
ドイツ西部のユーリッヒ・エネルギー問題研究所のストルテン所長によると、「ウクライナ戦争下において、ロシアに対する欧米諸国のロシアに対する経済制裁を実行している最中にドイツにとって重要なエネルギー設備をロシアの企業グループに委ねることは難しいと判断した。」と語った。
ドイツとしては、ロスネフト・ドイツを政府の管理下に置く間にロシアの化石燃料の代替品を見つけることが緊急課題となる。そのため、今年の4月にドイツ政府は、ガスプロム・ドイツ子会社の運営を行うとともに、天然ガスは、ウイヘルムスハーベンで液化天然ガス(LNG)受け入れ基地の建設を開始して、早急に海外LNGの輸入により、ロシア産ガスの不足分を補いたいと考えている。
一方、ロシア産の原油はこれまでロシア南東部から4000㎞の距離をパイプラインで輸送され、シュベット石油精製所で生産されてきた。 その石油製品は、ベルリンやドイツ北東地域の照明や自動車燃料、航空燃料や舗装道路に使用され、特に重要な役目を担っている。
しかし、ロシア産の原油を他の原油で代用するとした場合、シュベット製油所の大幅な設備改造が必要となる。さらに原油の輸送方法が貨車輸送に変更することになり、輸送費が膨大となるなどの多くの問題をはらんでいる。
いずれにせよ、ドイツにおいて原油をロシア産から他の原油に転換することは天然ガスに比べて困難で、今後、う余曲折が予想される。
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