国際労働機関(ILO)主導で制定された国際条約では、義務教育年齢とされる児童(多くの主要国では15歳)以下の労働を禁止している。しかし、あろうことか米国で現地生産している韓国大手自動車メーカー工場向けに部品供給をしている韓国部品メーカー米子会社が、児童労働禁止法違反容疑で摘発されている。
8月23日付
『ロイター通信』は、「現代自動車向け部品供給メーカー、米当局によって児童労働禁止法違反容疑で摘発」と題して、米国で現地生産している韓国大手自動車メーカー工場向けに部品供給している韓国部品メーカー米子会社が、16歳未満の児童に労働させていた容疑で摘発されたと報じている。
米労働省(DOL、1913年設立)は8月22日、韓国現代自動車(ヒョンデ、1967年設立)の米アラバマ州在の現地生産工場向けに部品供給している韓国メーカー米子会社に対して、児童労働禁止法違反容疑で告発した。...
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8月23日付
『ロイター通信』は、「現代自動車向け部品供給メーカー、米当局によって児童労働禁止法違反容疑で摘発」と題して、米国で現地生産している韓国大手自動車メーカー工場向けに部品供給している韓国部品メーカー米子会社が、16歳未満の児童に労働させていた容疑で摘発されたと報じている。
米労働省(DOL、1913年設立)は8月22日、韓国現代自動車(ヒョンデ、1967年設立)の米アラバマ州在の現地生産工場向けに部品供給している韓国メーカー米子会社に対して、児童労働禁止法違反容疑で告発した。
DOLがアラバマ州在連邦地裁に提訴した訴状によると、韓国部品メーカーSL社(1954年設立)傘下のSLアラバマ社が、同州東部アレキサンダーシティ工場で16歳未満の児童に労働させていたとしている。
DOLは、SLアラバマ社が昨年11月以来、「児童を労働者として雇用の禁止」及び「16歳未満の未成年者の労働禁止」規程を“何度も破っている”と告発した。
『ロイター通信』が入手した文書によると、SLアラバマ社は、現代自動車及び傘下の起亜自動車工場向けのヘッドライト・リアライト等の部品製造工程作業に児童労働者を就かせていたことを認めている。
同社は、派遣事業者が雇用して派遣してきたものだと弁明しているが、当該事業者詳細は明らかにしていない。
今回の事態発覚は、1ヵ月前に『ロイター通信』が報じた、現代自動車子会社のSMARTアラバマ社の工場における児童労働禁止法違反問題に続くものである。
これによって、現代自動車の米工場向けの部品メーカー2社に児童労働禁止法違反があったことになり、同社の米国におけるサプライチェーンに深刻な問題が存在することが明らかになった。
現代自動車は8月22日晩にリリースした声明で、“現代自動車グループ内の違法な雇用問題について看過しない”とし、“これまで連邦法、州法及び地元市条例に則った政策及び手続きを取ってきている”と釈明している。
なお、DOLの提訴に基づいて、SLアラバマ社代理人とDOL代理人弁護士間で、問題解決に繋がる和解条項案が締結され、同連邦地裁に提出されている。
それによると、SLアラバマ社は、今後児童労働者を雇用しないこと、児童労働に関わったマネージャーを処罰すること、児童労働者を派遣するような事業会社と関係を持たないこと等を約している。
(注)ILO:国際労働基準の制定を通して世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする、国際連合の専門機関。1919年に国際連盟に創設され、国際連合における最初で最古の専門機関である。本部はスイスのジュネーヴ。加盟国は187ヵ国。結社の自由、団体交渉権の効果的承認、強制労働の撤廃、児童労働の廃止、差別の撤廃を擁護してきたことに対して、1969年にノーベル平和賞受賞。
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