オーストラリアのアルバニージー首相は、5月に退任したモリソン前首相が、過去2年のパンデミック下で内閣が把握していない状態で、複数の閣僚の役割を担っていたことについて批判しているという。
8月16日付
『ロイター通信』:「豪首相︰モリソン氏は秘密裏な役職を得て民主主義を損ねた」:
アルバニージー豪首相は、モリソン前首相がコロナ禍で、保健、財務、産業大臣に加え、内務、財務の大臣に秘密裏に就任していたことで「民主主義を損ねた」と述べている。
5月の総選挙敗退後、自由党の首相を退いたモリソン氏だが、首相府の調査によると、2020年3月、保健、財務の大臣に就任、2021年5月は内務、財務大臣に、同年4月に産業大臣に就いていたという。...
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8月16日付
『ロイター通信』:「豪首相︰モリソン氏は秘密裏な役職を得て民主主義を損ねた」:
アルバニージー豪首相は、モリソン前首相がコロナ禍で、保健、財務、産業大臣に加え、内務、財務の大臣に秘密裏に就任していたことで「民主主義を損ねた」と述べている。
5月の総選挙敗退後、自由党の首相を退いたモリソン氏だが、首相府の調査によると、2020年3月、保健、財務の大臣に就任、2021年5月は内務、財務大臣に、同年4月に産業大臣に就いていたという。
この件につき、法務次官より助言を受けるとするアルバニージー首相は、権力集中を許したモリソン政権を批判。また、前政権の内務、財務大臣もモリソン氏が持つ権限を知らなかったとし、辞任や法的検証を求めている。
モリソン氏は、長文の声明で、懸念を引き起こしたことを後悔しているが、前例のないパンデミック下において安全策として正しい行動をしたと弁明している。
同日付英『BBC』:「前豪首相が5つの大臣職を有していた」:
アルバニージー首相は、スコット・モリソン前首相の行動は、「前例なき民主主義の崩壊だ」と批判した。
同氏が複数の閣僚の役割を担っていたことが露呈したことで、議員辞任を求める声が上がっている。
首相府の調査で、モリソン氏が5月の辞任前の2年間、保健、財政、内務、財務、産業の大臣を兼任していたことがわかった。16日アルバニージー首相は、「民主主義にとって重要な監視と均衡を損ねるもの」で、有権者に隠されていたとは全く論外だと批判した。
豪の公共メディア、政治界は、なぜ前首相が秘密裏に複数のポストに就けたのかを巡り騒然としている。注目される閣僚と決定権限は、1人に集中していた。以前行われた新型コロナに関する報告会見では、モリソン氏が保健相のとなりにいたが、2人の保健相がいたことに気づいたものはいなかったという。
一方モリソン氏は、これは前例のないコロナ危機での措置であると弁明したが、秘密裏にした理由については説明しなかった。
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