8月9日午後に南シナ海で発生した台風7号(中国名ムーラン、注後記)が、中国のハワイと呼ばれ多くの中国観光客が訪れる海南島(ハイナン)を直撃する見込みである。同島は8月に入って新型コロナウィルス(COVID-19)感染が急拡大しており、感染対策に支障をきたす恐れがある。
8月10日付欧米
『ロイター通信』は、「台風ムーラン、COVID-19感染急拡大の海南島直撃の見込み」と題して、前日に発生した台風7号が、夏季休暇期間に観光客で賑わう海南島を直撃する見込みで、COVID-19感染急拡大の同島における感染対策に支障をきたす恐れがあると報じている。
台風ムーランは、南シナ海を横断して8月10日に海南島に上陸する恐れがある。
同島では目下、COVID-19感染が急拡大しており、夏季休暇で多くの観光客が訪れている同島での集団検疫等の感染対策への影響が懸念される。...
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8月10日付欧米
『ロイター通信』は、「台風ムーラン、COVID-19感染急拡大の海南島直撃の見込み」と題して、前日に発生した台風7号が、夏季休暇期間に観光客で賑わう海南島を直撃する見込みで、COVID-19感染急拡大の同島における感染対策に支障をきたす恐れがあると報じている。
台風ムーランは、南シナ海を横断して8月10日に海南島に上陸する恐れがある。
同島では目下、COVID-19感染が急拡大しており、夏季休暇で多くの観光客が訪れている同島での集団検疫等の感染対策への影響が懸念される。
8月10日午前10時現在、台風ムーランは香港の南西約400キロメートル(250マイル)にあって、時速約18キロメートル(時速11マイル)で北西方向に進んでいる。
香港天文台によると、同台風は南シナ海南部の広東省、海南島を直撃する見込みだとする。
台風がもたらす強風が8月11日午後まで続くとみられ、南沙諸島(スプラトリー)、西沙諸島(パラセル)、マックルズフィールド堆のみならず、琼州海峡(チュンチョウ、広東省・海南島間の海峡)、トンキン湾(ベトナム・海南島間の湾、広東省南岸、海南島等、南シナ海全域に影響をもたらす恐れがある。
中国当局は、危険度レベル4の注意報を発令し、危険な強風や大雨に注意するよう呼びかけている。
なお、“中国のハワイ”と呼ばれ、夏季休暇中に多くの観光客が訪れる海南島では、8月に入ってCOVID-19感染が急拡大していることから、中国当局は本土から多数の医療従事者を派遣して対応に備えようとしている。
海南島地方政府発表によると、8月1~9日の間の感染者は1,899人(うち無症状585人)となっている。
同日付中国『新華社通信』は、「中国当局、台風及び洪水被害への注意報発令」として、台風ムーランへの注意を呼びかけていると報じた。
中国洪水対策・干害救済本部は8月9日、台風ムーランが強風及び大雨被害をもたらす恐れがある広東省、広西チワン族自治区、海南省、福建省等に対して特別警戒警報を発令した。
同台風は、8月10日の昼から夕方にかけて、海南島北東部から広東省西部の範囲に上陸すると見込まれる。
海南省気象局によると、海南島と本土を結ぶフェリーは全面運休となり、また、同島北西部の省都海口市(ハイコウ)運輸・港湾局によると、同島の3つの港は8月9日午後2時以降全操業が中断されているという。
また、中国水利部(1954年設立)は注意報レベル4(最大危険度)を発令して、強風や洪水の被害に備えるよう呼びかけている。
(注)台風7号:台風の名前は、「台風委員会」(日本含む14カ国等が加盟)で各加盟国などの提案した名前が、あらかじめ140用意されていて、発生順に命名。今回の台風7号は中国名のムーランと呼称。なお、準備された140を繰り返して使用(140番目の次は1番目に戻る)され、大きな災害をもたらした台風などがあると、加盟国からの要請によって、その名前を以後の台風では使用しないように別の名前に変更することがある。
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