岸田政権は、中国等の軍事的脅威に対抗すべく、米国他との連携強化を図るばかりか、防衛費の大幅増を目論んでいる。これに対して、仮想敵とされた中国も、ロシア軍戦闘機と日本近海で共同飛行訓練を実行する等しきりに牽制してきている。そしてこの程、中国軍が昨年に就役したばかりの新造駆逐艦を遥か日本海まで派遣して軍事演習を行った。
6月16日付米
『AP通信』は、「中国軍駆逐艦、遥か日本海まで出張って軍事演習」と題して、昨年に就役したばかりの中国軍駆逐艦が、日本海まで遠距離派遣されて演習を行ったと報じた。
中国国営メディア『環球時報』(1993年創刊)によると、昨年就役した中国海軍の南昌級駆逐艦“拉薩(ラサ)”(排水量1万3千トン)が初めて、日本海まで遠距離派遣されて現地で演習を行ったという。
同船には小型駆逐艦“成都(チェンドゥ)”(2019年就役、同7,500トン)及び補給艦“東平(トンピン)”(2005年就役、同2万トン)が随行したという。...
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6月16日付米
『AP通信』は、「中国軍駆逐艦、遥か日本海まで出張って軍事演習」と題して、昨年に就役したばかりの中国軍駆逐艦が、日本海まで遠距離派遣されて演習を行ったと報じた。
中国国営メディア『環球時報』(1993年創刊)によると、昨年就役した中国海軍の南昌級駆逐艦“拉薩(ラサ)”(排水量1万3千トン)が初めて、日本海まで遠距離派遣されて現地で演習を行ったという。
同船には小型駆逐艦“成都(チェンドゥ)”(2019年就役、同7,500トン)及び補給艦“東平(トンピン)”(2005年就役、同2万トン)が随行したという。
日本の防衛省発表によると、3船は6月12日、長崎県福江島(五島列島最大の島)約200キロメートル西方で確認され、日本海に向かって東進していったとする。
同省によると、東調級情報収集艦(同6,000トン、船名不詳)も6月12日に対馬海峡を航行しているのが認められ、同じく日本海に向けて東進したという。
中国軍は近年、ものすごいペースで軍艦を製造しており、現在では米国を抜いて総艦数で世界最大規模となっている。
特に、直近で製造されている南昌級駆逐艦は新鋭化されていて、低非探知性艦船で対空ミサイルに加えて、対艦・対地巡航ミサイル、更には魚雷も装備されている。
中国軍は、同級駆逐艦を他に4隻建造しているという。
米軍は、これら新型駆逐艦は中国軍が保有する2隻に空母に随行する任務を担うとみている。
中国軍は更にもう1隻の空母を建造中とも言われる。
『環球時報』は、軍事専門家のコメントを引用して、中国軍が台湾統一のための軍事作戦に出た際、他国からの妨害を阻止するために海軍力を増強しているものと報じている。
6月15日付中国『環球時報』は、「中国海軍の大型駆逐艦“拉薩”、遥か日本海まで出張って初の訓練実施」と、新鋭大型駆逐艦が日本海において様々な能力を確認する訓練を行ったと報じた。
中国軍事専門家によると、中国海軍の2隻目となる大型駆逐艦“拉薩”が6月15日、遥か日本海まで出張って初の洋上訓練を行ったという。
魏東旭氏(ウィ・トンチュウ、40歳)が語ったもので、最近日本及び米国がしきりに台湾問題での軍事的関与を表明していることから、それらの軍事的干渉を阻止するための軍事演習だとする。
昨年3月に就役した同艦は、2022年初めから黄海での近海訓練を実施してきていたが、今回日本海まで遠洋航海しての演習を実施したことから、近々何らかの重要な作戦に関与することが予想されるという。
更に同氏は、中国海軍が大型駆逐艦“拉薩”含めた最新鋭の艦隊を整備している背景には、米国や西側諸国が中国の活動を阻害しようとしたり、日本のタカ派の先導で軍事的影響力を高めようとしていることから、これらの国が具体的に“台湾独立派”を擁護・支援しようとしてきた場合に備えるためであると解説した。
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