『AP通信』によると、現在コートジボワールのアビジャンで国連砂漠化対処条約の締約国会議を開催している国連は、世界人口のおよそ3分の1にあたる23億人がすでに水不足に直面しており、その数は2050年までに2倍になると推定している。
報告書では、世界のどの地域も干ばつの影響を受けることになるものの、アフリカが最も大きな被害を受けている大陸であり、アメリカ大陸、インド、オーストラリアも現在および将来的に特に懸念される地域であると指摘している。...
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『AP通信』によると、現在コートジボワールのアビジャンで国連砂漠化対処条約の締約国会議を開催している国連は、世界人口のおよそ3分の1にあたる23億人がすでに水不足に直面しており、その数は2050年までに2倍になると推定している。
報告書では、世界のどの地域も干ばつの影響を受けることになるものの、アフリカが最も大きな被害を受けている大陸であり、アメリカ大陸、インド、オーストラリアも現在および将来的に特に懸念される地域であると指摘している。
アフリカ大陸では過去100年間に134回の干ばつが記録されており、その半分以上が東アフリカで発生している。英『インデペンデント』は、ケニア、エチオピア、ソマリアでは現在、壊滅的な干ばつに直面しており、数百万頭の家畜が死亡し、数百万人の生計が危機にさらされていると伝えている。1年以上雨が降っていないケニアのある農家は、「以前は8カ月間食べられるだけのトマトを作ることができた。マンゴーやパパイヤの木もあった」。しかし現在は、食料源は信じられないほど不足し、飲料水の供給にも大きな打撃を受けていると語っている。
インドでは1998年から2017年の間に干ばつによる国内総生産が5%縮小し、オーストラリアでは2002年から2010年の間に干ばつにより農業生産性が18%低迷した。また、同国では、降雨不足が拍車をかけた2019年末から2020年初頭にかけてのような山火事が増えると予想されると、報告書は警告している。世界的に見ると、過去20年間で干ばつリスクは29%増加しており、2050年までに、何億人もの人々が新しい住処を探さざるを得なくなる可能性があるという。
国連によると、アマゾンも同様で、今世紀に入ってから干ばつが3回発生し、森林火災を誘発した。同機関は、現在のペースで森林伐採が進めば、2050年までにこの地域に残る森林の16%が焼失すると推定している。
仏『レゼコー』によると、報告書は、この惨劇に対処しなければ、その被害は飛躍的に拡大することになると伝えている。2030年には、干ばつによって7億人が避難する可能性がある。2040年には、子どもの4人に1人が、利用可能な水資源が極端に低い地域に住むと予想されている。2050年には最悪の事態が訪れ、人類の4分の3が干ばつに見舞われる可能性があるとしている。「48億から57億の人々が1年のうち少なくとも1ヶ月は水不足の地域で暮らすことになる」と推測されている。
しかし、適切な適応策を講じれば、地球上の水不足は抑えることができる、とも報告書は述べている。より多くの食料を生産しながらより少ない水ですむより優れた農業技術、干ばつ対策計画、土壌の健全性への投資拡大、新技術、早期警告システムなどが、食料と水不足の抑制に役立つとしている。
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