米テキサスの土地所有者達は、南部国境からの大量の不法移民が押し寄せ続ける中、物的損害と労働者不足に直面している。連邦政府に支援金を要求しているものの、音沙汰なしであるという。
南テキサスの土地所有者の代表者が1日、米
『フォックスニュース』の番組に出演し、米国の南部国境での不法越境者の急増により、地元の人々が物的損害の被害にあっていると訴えた。「国境を守るのは連邦政府の仕事である」ため、連邦政府の援助を求めているという。南テキサス財産権協会の代表であるスーザン・キッブ氏は、国境付近は「今は安全ではない」と述べている。
キッブ氏は、「土地所有者たちは、不法入国者の侵入に日々直面している。...
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南テキサスの土地所有者の代表者が1日、米
『フォックスニュース』の番組に出演し、米国の南部国境での不法越境者の急増により、地元の人々が物的損害の被害にあっていると訴えた。「国境を守るのは連邦政府の仕事である」ため、連邦政府の援助を求めているという。南テキサス財産権協会の代表であるスーザン・キッブ氏は、国境付近は「今は安全ではない」と述べている。
キッブ氏は、「土地所有者たちは、不法入国者の侵入に日々直面している。(不法入国者を乗せた)車がフェンスやゲートを通過したり、不法入国者たちが狩猟キャンプに侵入して私有地内を歩いたりしている」と語っている。被害額は「非常に高額になってきている。しかし連邦政府からは、私有地の所有者への支援について何の連絡もない」と嘆いている。
テキサス州選出のジョン・コーニン上院議員が、テキサス州デル・リオの地元指導者らと会合を持ったところ、自分たちの財産が移民の急増によって被害を受けているのに、その問題が見過ごされているという懸念が寄せられたという。南テキサス財産権協会によると、土地所有者たちは物的損害だけでなく、労働者の不足にも直面しているという。キッブ氏は、コーニン上院議員は、協力的 であるものの、共和党は連邦議会で少数派であるため、連邦政府にすぐにこの問題に対応取り組んでもらうための権限を持っていないと指摘している。
国境地域では、不法入国者のケアに多大な費用を費やしてきた地元コミュニティやNGOが、連邦政府からすでに3千万ドル(約33億円)の資金を提供してもらっている一方で、地元の法執行機関や市当局は、大量に押し寄せる不法移民の取り締まりのためにさらなる資金提供を求めざるをえない状況に置かれているという。
『ロイター通信』は、あるブラジルの小さな村では、現在米国に向けての大量脱出が起こっていると伝えている。村の公式データによると、人口約7500人のアルペルカタでは、今年だけで、数百世帯がアメリカへの移住のために、子供を学校から退学させたという。
これまでの米国への移民の波は、地元にすぐに帰国してくる貧しい若者が中心だったが、今回の移民の波は、ブラジルにとって代替が難しいホワイトカラーの労働者を引き寄せている。看護師、エンジニア、さらには雇用が保証されている市の職員までもが、帰国の予定もなく出て行っている。アルペルカタでは、町の最大の雇用主である市長室の職員162人のうち、今年は5%近くが米国に流出したと、市のデータを引用して当局が発表した。
多くの人が家族を連れて米国に逃れている。これは、ブラジル人を含む一部の国籍の人たちが、何年もかかる法的手続きを経る間、米国に留まることができるという米国の亡命政策を利用したものだという。米国税関・国境警備局(CBP)のデータによると、2021年度に米国南部国境で逮捕されたブラジル人家族のうち、99%が入国を果たし移民の申請を提出することができたという。現在米国の雇用市場は人手を必要としており、ドル高であることが、米国をより魅力的な移住先としている。
米『ニューヨーク・タイムズ』によると、南部国境には、ラテンアメリカだけでなく、アジアやアフリカなどの160カ国以上から人々が集まってきており、中でもメキシコからの不法移民が最も多い割合を占めているという。
ブラジル・アルペルカタのスポーツ担当大臣を務めるホルヘ・エステフェソン氏は、毎年行われるサッカー大会では、大人の選手の確保に苦労しているという。子供たちの数も、サッカークラブに登録している子供は60人で、5年前に比べて3分の2に減ったという。エステフェソン氏は、「将来、若者のいない高齢者の街になるのではないかと心配している。」と語っている。
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