マグダレナ・アンデション新首相は、犯罪との戦い、気候変動への対応、福祉国家の強化を、彼女が率いる社会民主党政権の優先事項として発表した。アンデション首相は、2022年9月の総選挙を視野に入れ、「強い行動」を取っていくと約束した。
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『レゼコー』誌によると、スウェーデン初の女性首相となったアンデション氏は、議会で宣誓した翌日、議会で「私たちの生活様式を脅かす毒」である犯罪との闘いが最優先事項であると発表した。
全国で290件の銃乱射事件が発生し、「42人が死亡し、その多くが若い男性だった」ことを理由に、未成年者を含めた刑罰の強化などを発表した。また、前政権が設定した1万人の新規警察官導入の目標は、「達成に向けて進んでいる」と強調した。...
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『レゼコー』誌によると、スウェーデン初の女性首相となったアンデション氏は、議会で宣誓した翌日、議会で「私たちの生活様式を脅かす毒」である犯罪との闘いが最優先事項であると発表した。
全国で290件の銃乱射事件が発生し、「42人が死亡し、その多くが若い男性だった」ことを理由に、未成年者を含めた刑罰の強化などを発表した。また、前政権が設定した1万人の新規警察官導入の目標は、「達成に向けて進んでいる」と強調した。
同首相は、スウェーデンの大都市の郊外に広がりつつある犯罪に歯止めをかけたいと考えている。首相は、2016年に閉鎖する前まで、移民に対して非常に開放的であったスウェーデンに生まれた「分離を打破する」ために、「社会全体が結集する」ことも求めた。一方、野党である右派や極右政党は、2014年から政権を握っている社会民主党が移民問題に対し「受動的」態度であるとして糾弾してきた。
米『エコノミスト』によると、過去15年間、スウェーデンの発砲による死亡率はヨーロッパで最も高かったことが、同国の国家犯罪防止評議会の最新レポートで明らかになった。同評議会は、欧州統計局と国連の世界保健機関から提供された欧州22カ国のデータを分析した結果、2014年から2017年の間、スウェーデンはクロアチアに次いで2位だったことを明らかにした。しかし、2018年の予備データでは、スウェーデンが首位に躍り出たことが示唆されている。犠牲者の多くは、20歳から29歳の男性である。スウェーデンの発砲による殺人事件の発生率は、欧州の平均の2.5倍となっている。
このような暴力事件は、違法薬物や、仕事のない疎外された若者と警察との間の不信感によって煽られている。最近の移民は、多くがソマリア人で、スウェーデン社会に溶け込むことに失敗している。2015年のIS台頭によるシリア移民の急増も、さらなるゲットー化をもたらした。住民の70%が外国生まれという都市も出てきている。移民の多く、特に若い男性は、生活保護や闇市場で生活費を稼いでいる。移民で構成されているギャングの間では、諍いを解決するために銃撃戦がよく行われている。
専門家の中には、警察官の数が増えているにもかかわらず、スウェーデンの治安の悪い郊外の街で働く警察官の数が減っているのは、過去10年間の過度な中央集権化のせいだと分析する人もいる。移民の多い地域では、地域社会に密接した警察活動が崩壊し、殺伐としたギャングが支配するようになった。1980年、ヨーテボリ市の警察は殺人事件の80%を解決していたが、現在は20%という悲惨な数字になっている。
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