10月12日付
『AP通信』他：「10月12日に発生した出来事」
●1792年
・イタリア人探検家クリストファー・コロンブス（1451～1502年）が米大陸を最初に発見・到着した日から300年を記念して、米国の多くの州で初めて「コロンブス・デー」を祝祭。
●1933年
・米中西部における複数の銀行強盗容疑の罪で服役中のジョン・ディリンジャー（1903～1934年）が、ギャング仲間の手引きでオハイオ州の刑務所から脱獄。その後も銀行強盗、逮捕・脱獄を繰り返していたが、翌年7月、ついに米連邦捜査局（FBI、前身は1908年設立）による逮捕騒動の際に銃撃を受けて死亡。
●1942年
・第二次世界大戦の最中、米海軍が南太平洋ソロモン諸島におけるサボ島沖海戦（連合国側呼称はエスペランス岬沖海戦）で日本軍に勝利。
・米司法長官フランシス・ビドル（1886～1968年、1941～1945年在任）が、ニューヨークのカーネギーホール（1891年建造のコンサートホール）で開かれた「コロンブス・デー」を祝う会で、今後米国系イタリア人を敵国人と見做さないと表明。
●1973年
・第37代米大統領リチャード・ニクソン（1913～1994年、1969～1974年在任）が、2日前に辞任したスピロ・アグニュー前副大統領（1918～1994年、1969～1973年在任）の後任として、当時共和党下院院内総務だったジェラルド・フォード（1913～2006年、ミシガン州選出下院議員）を指名。なお、フォード副大統領はその後、ウォーターゲート事件（注１後記）で引責辞任したニクソン大統領を継いで、第38代大統領（1974～1977年在任）に就任。
●1976年
・中国共産党が、前月に死去した故毛沢東主席（マオ・ツォートン、1893～1976年）の後継者として華国鋒（ホア・クオフォン、1921～2008年）を党中央委員会主席兼中央軍事委員会主席に選任した旨発表。華氏は前週、文化大革命（注２後記）を主導した罪で江青（ジャン・チン）・張春橋（ヂャン・チュンチャオ）・王洪文（ワン・ホンウェン）・姚文元（ヤン・ウェンユェン）の4人組を逮捕・失脚を主導。
●2000年
・中東イエメンで、米海軍ミサイル駆逐艦“コール”（1996年就役）がイスラム主義国際テロ組織アルカイーダ（1988年設立）メンバー2人による自爆テロに遭遇。同艦水兵17人が犠牲。
●2002年
・インドネシアのバリ島のナイトクラブで、アルカイーダ系過激派による爆弾テロ発生。オーストラリア人88人・米国人7人を含む202人が犠牲。
●2007年
・元米副大統領のアル・ゴア（当時59歳、1993～2001年在任）及び国連傘下の「気候変動に関する政府間パネル（IPCC、注３後記）」に対して、ノーベル平和賞授与。
●2011年
・米連邦デトロイト地裁が、ナイジェリア出身のウマル・ファルーク・アブドゥルムタッラブ容疑者（当時24歳）に対して、2009年12月25日アムステルダム発デトロイト行きノースウェスト253便搭乗の際、下着に隠したプラスチック爆弾で自爆テロを実行しようとした罪で有罪認定。アルカイーダの訓練を受けた同容疑者は、当時「下着爆弾男」、「クリスマス爆弾男」と呼ばれたが、2012年に仮釈放なしの終身刑が確定。
・カリフォルニア州南部シールビーチのヘアサロンで無差別銃撃事件発生。犯人はスコット・デクラーイ容疑者（当時41歳）で、同サロン従業員の前妻ミシェル・フォーニエール（享年48）含め8人が犠牲。当容疑者には2014年、終身刑が確定。
●2016年
・全米第2位の金融機関ウェルズ・ファーゴ（1852年創立、カリフォルニア州サンフランシスコ本拠）のジョン・スタンプ会長兼最高形成責任者（当時63歳、2007～2016年在任）が辞任。同行での顧客に関するスキャンダル（顧客に無断で口座開設する等の不正営業）の責任を取ったもの。
●2017年
・第45代米大統領ドナルド・トランプ（当時71歳、2017～2021年在任）が、ハリケーン被害に遭ったプエルトリコ自治連邦区（カリブ海北部の米国海外領土）に対して、米政府から“永続的に”支援を続けることはできないとし、資金的問題は自身の責任と突き放す発言。
●2019年
・テキサス州北東部フォートワースの住宅街で、黒人女性会社員アタチアーナ・ジェファーソン（享年28）が同市市警の白人警察官アーロン・ディーンによって射殺。近所の通報で駆け付けた同警察官が、無用に裏口に入ったことから、同犠牲者が危険を感じて銃を携えたところいきなり発砲。殺人罪で起訴された同容疑者は無罪を主張しているが、同州地裁の裁判は依然継続。
●2020年
・米大統領選共和党候補のドナルド・トランプ（当時74歳）が、新型コロナウィルス（COVID-19）罹患後初めてフロリダ州の共和党支持者集会で、自身が“早期快復”した旨アピール。
・トランプ大統領が連邦最高裁判事として指名した保守派エイミー・コニー・バレット連邦控訴審判事（当時48歳）に関し、議会上院司法委員会での承認のための諮問開始。民主党議員らは、医療保険制度改革（通称オバマケア、2010年発効）に批判的な同判事の任命は相応しくないと反対するも、同判事は、法に対して公正・忠実だとして非難を排除。なお、民主党から、最高裁判事構成が保守派6人・リベラル派3人といびつになることや、ジョー・バイデン民主党候補（当時77歳）から、大統領選勝者が指名すべきだ等の反対意見が出されたが、10月下旬開催の共和党多数の上院本会議で同判事を承認。
・ウィスコンシン州地裁が、共和党主流の同州議会等が提出していたマスク着用義務無効化請求を棄却。なお、当時同州では、COVID-19感染者が急増し、入院患者数が最多となっていた。
・世界大手のフェイスブック（2004年設立）が、ホロコースト（注４後記）を否定したり歪めたりする投稿を禁止すると発表。
（注１）ウォーターゲート事件：1972年6月17日にワシントンD.C.の民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まった米国の政治スキャンダル。1974年8月9日にニクソン大統領が辞任するまでの盗聴、侵入、裁判、もみ消し、司法妨害、証拠隠滅、事件報道、上院特別調査委員会、録音テープ、特別検察官解任、大統領弾劾発議、大統領辞任のすべての経過を総称して「ウォーターゲート事件」という。
（注２）文化大革命：毛沢東による、文化改革運動を装った毛の奪権運動・政治闘争。1966年に始まり1976年に終結。すなわち、名目は「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」という文化の改革運動だったが、実際は、大躍進政策の失敗によって国家主席の地位を奪われた毛が自身の復権を画策し、紅衛兵と呼ばれた学生運動や大衆を扇動して政敵を攻撃させ、失脚に追い込むための官製暴動であり、中国共産党内部での権力闘争。推定犠牲者数は数百万人から2千万人以上とされている。
（注３）IPCC：国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構。1988年設立。学術的な機関であり、地球温暖化に関する最新の知見の評価を行い、対策技術や政策の実現性やその効果、それが無い場合の被害想定結果などに関する科学的知見の評価を提供。数年おきに発行される「評価報告書」は地球温暖化に関する世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約した報告書であり、国際政治および各国の政策に強い影響を与えつつある。
（注４）ホロコースト：第二次世界大戦中の国家社会主義ドイツ労働者党（ナチス党）率いるドイツ国（ナチス・ドイツ）が、ユダヤ人などに対して組織的に行った絶滅政策・大量虐殺。1933～1945年まで続いた。元来は、古代ユダヤ教の祭事で獣を丸焼きにして神前に供える犠牲、「丸焼きの供物」の意。犠牲になったユダヤ人は600万人以上とされている。
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