今晩幕開けとなる東京オリンピックは、折からの新型コロナウィルス(COVID-19)感染再拡大問題もさることながら、大会組織委員会の重鎮から開会式の演目を手掛ける演出家に至るまでのスキャンダルにまみれて散々となっている。そうした中、同委員会としては、開会式の花形となる最終聖火ランナーに名誉挽回を託することになるが、超極秘情報であるため誰が選ばれるのかいろいろな噂が飛び交っている。
7月23日付
『ロイター通信』:「スキャンダルまみれの東京オリンピック、名誉挽回が託される最終聖火ランナーは誰?」
今回の東京オリンピックは、様々なスキャンダルに見舞われて評判が地に落ちている。
最初のスキャンダルは、今年初め、大会組織委員会の森喜朗会長(当時、84歳)が発した、女性差別と取れる発言である。
この責めを受けて、同氏は辞任に追い込まれている。
そして開会式の演出チームにもスキャンダルが発生した。...
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7月23日付
『ロイター通信』:「スキャンダルまみれの東京オリンピック、名誉挽回が託される最終聖火ランナーは誰?」
今回の東京オリンピックは、様々なスキャンダルに見舞われて評判が地に落ちている。
最初のスキャンダルは、今年初め、大会組織委員会の森喜朗会長(当時、84歳)が発した、女性差別と取れる発言である。
この責めを受けて、同氏は辞任に追い込まれている。
そして開会式の演出チームにもスキャンダルが発生した。
まず、開会式の楽曲を手掛けた作曲家の一人が、1990年代壮絶ないじめの加害者であったことが判明して、辞任させられただけでなく、同氏が担当した4分間の楽曲が不使用となっている。
次に判明したのが、演出を手掛ける劇作家による「ホロコースト(注後記)」絡みのスキャンダルである。
すなわち、同氏が1990年代に手掛けたお笑いのコントの中で、「ホロコースト」を揶揄するセリフが入れられていたことが明らかになったものだが、この事実が開会式前日に発覚したことから、開会式に影響を及ぼさないようにすべく、同組織委員会は同氏を即座に解任している。
更に、COVID-19感染問題も深刻で、来日している選手団・大会関係者の新規感染者が増えている。
7月2日以降、選手の感染者が19人、大会関係者・メディアでは87人で、合計106人に上っており、感染防止対策の不備が指摘されている。
かかる背景もあって、大会組織委員会としては、開会式の最大の目玉である、聖火台に聖火を灯す最後の聖火ランナーに名誉挽回を託したい意向である。
誰に決定しているのかは、超極秘情報であるため明らかになっておらず、数ヵ月前から様々な噂が飛び交っている。
そのうちの最有力候補は、テニス四大大会を4度制した大坂なおみ選手(23歳)である。
彼女は、人種差別に反対し性的マイノリティを擁護する発言・活動を行ってきており、多様性を重要視するオリンピックにおいては最適なアスリートと評価される。
米『タイム』誌(1923年刊行の世界初のニュース雑誌)が発表する、世界で最も影響力を持つ人物として、2年連続で選出されている。
その他、日本人アスリートで最終聖火ランナー候補とされるのは以下である。
・鈴木イチロー氏(47歳):日本のプロ野球球団だけでなく、米メジャーリーグのシアトル・マリナーズ、ニューヨーク・ヤンキース等で活躍した偉大なプレーヤー。現役時代の野球に取り組む真摯かつ厳しい姿勢が、多くの野球少年の鏡となっている。
・大谷翔平選手(27歳):現役の二刀流選手(投手・打者)として有名で、ロスアンゼルス・エンジェルスで活躍中。
・野村忠弘氏(46歳):柔道60㎏以下級でオリンピック3連覇達成。
・北島康介氏(38歳):100m、200m平泳ぎで計4個の金メダルを獲得。
・吉田沙保里氏(38歳):2012年に13大会連続で世界一を達成した女子レスリング選手。2020年東京大会の正式種目からレスリングが外されないようロビー活動に尽力。
一方、東京大会は2011年発生の東日本大震災からの復興オリンピックと銘打っていることもあって、被災地の関係者が最終ランナーとして選ばれる可能性もある。
何故なら、1964年の前回の東京大会では、敗戦後の復興を内外に示すために開催されたこともあって、1945年広島に原爆が投下された8月6日に生まれた坂井義則氏(当時19歳、2014年没)が、平和の象徴として最終ランナーを務めた経緯があるからである。
(注)ホロコースト:第二次世界大戦中の国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス党)率いるナチス・ドイツが、ユダヤ人などに対して組織的に行った絶滅政策・大量虐殺。犠牲者は当初、少なくとも600万人以上とされていたが、900万~1,100万人に上るとする説もある。ホロコーストは、ギリシャ語の“全部焼く”に由来するもので、元来は、古代ユダヤ教の祭事で獣を丸焼きにして神前に供える犠牲、「丸焼きの供物」の意であったが、転じて火災による大虐殺・大破壊・全滅を意味するようになった。
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