かねて報じているとおり、英国は、フランス・ドイツ等と同様、インド太平洋地域への関与に積極的姿勢を示している。そうした中、訪日中の英国国防相が、今年後半以降、英軍艦2隻を同地域に恒久的に派遣すると表明し、益々アジアへの関与を強化していく意向であることを明らかにした。
7月20日付
『ロイター通信』:「英国、軍艦2隻をアジア地域に常駐させると表明」
英国は7月20日、今年後半以降、軍艦2隻をインド太平洋地域に恒久的に派遣する意向であると表明した。
英国海軍は既に、日・米に対峙する形で中国が勢力を拡大しているインド太平洋地域に、今年9月に空母“クイーンエリザベス”(2017年就役)率いる空母打撃群を派遣することを決めている。
英国軍艦2隻の常駐の件は、今週来日しているベン・ウォレス国防相(51歳、2019年就任)が、安全保障上の連携強化を目論んでいる日本側との協議の中で明らかにした。...
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7月20日付
『ロイター通信』:「英国、軍艦2隻をアジア地域に常駐させると表明」
英国は7月20日、今年後半以降、軍艦2隻をインド太平洋地域に恒久的に派遣する意向であると表明した。
英国海軍は既に、日・米に対峙する形で中国が勢力を拡大しているインド太平洋地域に、今年9月に空母“クイーンエリザベス”(2017年就役)率いる空母打撃群を派遣することを決めている。
英国軍艦2隻の常駐の件は、今週来日しているベン・ウォレス国防相(51歳、2019年就任)が、安全保障上の連携強化を目論んでいる日本側との協議の中で明らかにした。
同相は、岸信夫防衛相(62歳、2020年就任)との会談後の共同記者会見の場で、“英国軍空母打撃群の初のインド太平洋地域派遣に続き、今年後半以降、軍艦2隻を同地域に常駐させる”と表明した。
岸氏によると、英国軍空母打撃群が9月に来航した後、空母及び随行艦はそれぞれ海上自衛隊基地と米軍基地に分かれて停泊することになるという。
F-35Bステルス戦闘機を搭載した空母“クイーンエリザベス”は、米原子力空母“ロナルド・レーガン”の母港となっている米軍横須賀基地に寄港する。
また、随行艦は沖縄の米軍基地に寄港する。
かかる発表を踏まえて、米国防総省報道官は、“米国の同盟国でありパートナーの英国が、国際法に基づくインド太平洋地域における航行の自由を確保するとの米政策を支援・協力してくれることを称賛する”との声明を出している。
なお、9月に来航する“クイーンエリザベス”空母打撃群には、駆逐艦2隻、フリゲート艦2隻、補助艦2隻に加えて、米軍艦及びオランダ軍艦が随行してくる予定で、途中インド、シンガポール、韓国にも寄港する。
一方、ウォレス国防相はまた、今後数年内に、避難救助や対テロ作戦を専門とする“沿岸即応部隊(海軍上陸作戦部隊、1965年創設)”も派遣する意向である旨表明している。
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