7月20日付米国
『CNN』は「過去30年は失敗、気候危機対策に時間はないと警告」との見出しで以下のように報道している。
米国は、政治対応に頼る対策は30年失敗に終わったとし、中国や各国政府に気候変動対策の強化を促した。ジョン・ケリー気候変動問題担当特使は、ロンドンのキューガーデンでの演説で、より積極的な削減目標を求め、現状を第二次世界大戦になぞらえ団結を求めた。
ケリー特使は、今年スコットランドのグラスゴーで開かれる気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に先駆け、支持を得るため欧州7カ国を歴訪する予定。...
全部読む
7月20日付米国
『CNN』は「過去30年は失敗、気候危機対策に時間はないと警告」との見出しで以下のように報道している。
米国は、政治対応に頼る対策は30年失敗に終わったとし、中国や各国政府に気候変動対策の強化を促した。ジョン・ケリー気候変動問題担当特使は、ロンドンのキューガーデンでの演説で、より積極的な削減目標を求め、現状を第二次世界大戦になぞらえ団結を求めた。
ケリー特使は、今年スコットランドのグラスゴーで開かれる気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に先駆け、支持を得るため欧州7カ国を歴訪する予定。イギリスでは熱波が観測され、ヨーロッパ各地で100年に1度という大雨や洪水が相次ぎ、ドイツでは洪水により160人以上の死者を出した。メルケル首相も、各国に対し気候変動への取り組みを加速するよう呼びかけている。専門家も近年の極端な気候は、予測よりも早い速度で気候変動の影響が出ている兆候だとしている。
昨年習首席は2060年までにカーボンニュートラルを目指すと表明したが、ケリー氏が引用する国際エネルギー機構のデータによれば、中国の排出量はパリ協定に沿っていないとする。中国が現在の計画を続け、2030年を境に減少に転じねば、他国は2040年、2035年には、排出量ゼロにしなければならないことになると警告した。
ケリー氏はまた、「エネルギー需要を埋めようと、石炭、石油、天然ガス生産を増産する必要はない」とし、新たな炭鉱を開発する国々を非難した。これはイギリスでも同様で、バイデン政権も公有地や先住民居住地への石油、天然ガス開発許可を出しているとの批判がある。
同日付『AP通信』は「中国が世界の心中協定を終わらせるべき、と米気候変動担当特使」との見出しで以下のように報道している。
ジョン・ケリー気候変動特使は、中国に早急な炭素削減に協力するよう求め、戦後の国際同盟が気候変動との闘いのモデルとなると述べている。
同氏はロンドンの世界遺産での演説で、「パートナー国も、敵対国も、温暖化を止めるために協力しなければならない」、「気候危機は我々の時代の試練」だ等と述べた。また、米中の緊張関係に言及しながらも、「世界の心中協定から抜け出すには、両国が目標を共有し協力することが唯一の方法。バイデン大統領と習首席は、他の対立点と違い、気候については一致している。米国は中国の協力を求めている。中国も同じだ」とし、両国の協調を求めた。
2050年の協定がある一方で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、10年で4割削減を提言している。
5月のロジウム推定によると、世界に占める中国の排出率は2019年27%(米国は11%)で、先進国を合わせたよりも高かった。中国、米国、インドが3大排出国のため、この3国が削減に取り組まねば、気候変動計画は失敗に終ってしまうのである。
閉じる