フランスのマクロン大統領が8日、視察先の仏南東部の市民と対話しようとしたところ、見物人に混ざっていた男に頬を平手打ちされた。フランスメディアや政界からは、大統領に対する行為はフランスを平手打ちするようなものだと非難の声が上がっている。
フランスメディアによると、マクロン大統領は8日、コロナ後の生活について市民と話し合うため、フランス南東部の小さな村タン=レルミタージュを訪れていた。大統領が群衆に話しかけるために近づいたところ、群衆に混ざっていた男が「マクロン政権を打倒せよ」と叫び、大統領の顔を平手打ちした。治安当局がすぐにその場で男を取り押さえた。
仏ニュースサイト『ブルソラマ』は、フランスメディアは、マクロン大統領への平手打ちは、「潜在する暴力」と「悪いスパイラル」が表面化したものであり、「フランスを平手打ち」するようなものだと非難していると報じている。...
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フランスメディアによると、マクロン大統領は8日、コロナ後の生活について市民と話し合うため、フランス南東部の小さな村タン=レルミタージュを訪れていた。大統領が群衆に話しかけるために近づいたところ、群衆に混ざっていた男が「マクロン政権を打倒せよ」と叫び、大統領の顔を平手打ちした。治安当局がすぐにその場で男を取り押さえた。
仏ニュースサイト『ブルソラマ』は、フランスメディアは、マクロン大統領への平手打ちは、「潜在する暴力」と「悪いスパイラル」が表面化したものであり、「フランスを平手打ち」するようなものだと非難していると報じている。「La Voix du Nord」紙は、「大統領を平手打ちするのは、フランスを平手打ちするようなもの。これは私たち全員への平手打ちだ」、「フランスがゆっくりと崩壊していくさらなる一歩だ」と伝えている。「Courrier Picard」紙は、マクロン大統領は「孤立した」事件だと相対化しようとしているが、「陰謀論者からサバイバル主義者まで、不透明な目的を持つ小グループの集まりで、暴力を求める声が危険なほど日常的になっている」と警告している。
『ウエストフランス』によると、大統領を平手打ちした男は、「マクロン政権を打倒せよ」と叫ぶ前に「モンジョワ、サン=ドニ」と叫んだという。このかけ声は、かつてフランス王の軍隊が、守護聖人のサン=ドニを呼び出し、その保護の恩恵を受けるために戦闘の際に使われていたとされている。現在は、極右の結集の言葉として受け止められている。
政治界からも糾弾する声が上がっている。仏ニュースサイト『LCI』によると、国民連合党首のマリーヌ・ルペンもこの事件を強く非難している。「このような行為は許されないものです。政治指導者を攻撃することは許されませんが、共和国大統領を攻撃することはなおさら許されません。大統領に対しては政治の場で戦うもので、身体的な害を加えることは許されません。」と非難している。
国民運動連合の元党首グザヴィエ・ベルトランも、「いかなる政治的意見の相違も、暴力を正当化するものではありません。共和国の制度とその代表者を尊重することは、私たちの民主的な生活の基本原則です」とコメントした。
カステックス首相は、「政治は決して暴力、言葉による攻撃、さらには身体的な攻撃であってはならない」と述べた。
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