ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5日、ウクライナのメディアに対して、戦後のウクライナは自己防衛を伴う安全保障の観点から「イスラエル」をモデルとする可能性が高く、もはや「自由なヨーロッパ」の都市ではなくなるだろうという見解を示した。
中東ニュースを扱う英オンラインニュースサイト
『ミドル・イースト・アイ』によると、ウクライナ大統領は5日の記者会見で、ロシアとの紛争が終わった後も、ウクライナ社会は四面楚歌の状態で国を守っていくことになると警告した。
大統領は、「ウクライナは間違いなく、私たちが最初から望んでいたような国にはならないだろう。不可能である。完全に自由な、ヨーロッパのような国、そんな風にはならないだろう。この国独自に、大きなイスラエルのような国になる。...
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『ミドル・イースト・アイ』によると、ウクライナ大統領は5日の記者会見で、ロシアとの紛争が終わった後も、ウクライナ社会は四面楚歌の状態で国を守っていくことになると警告した。
大統領は、「ウクライナは間違いなく、私たちが最初から望んでいたような国にはならないだろう。不可能である。完全に自由な、ヨーロッパのような国、そんな風にはならないだろう。この国独自に、大きなイスラエルのような国になる。映画館やスーパーマーケットに軍隊や州兵の見回りや、武器を持った人がいても不思議ではないだろう。安全保障の問題は、今後10年間、最大の課題になると確信している。」と語った。
そして、ウクライナは「権威主義国家」になることは「ありえない」とも述べた。「権威主義国家はロシアに負けるだろう。人々は何のために戦っているのか分かっている」と述べた。
ミカエル・ブロツキー駐ウクライナ・イスラエル大使は、イスラエルの新聞『ハアレツ』の取材に対し、ゼレンスキー氏の発言は「新しいものではない」と指摘している。イスラエルは「少なくとも安全と自己防衛の面では、常にウクライナの模範となってきた」という。
エフゲン・コルニチュク駐イスラエル・ウクライナ大使は同紙に対し、核軍縮後に結ばれたような国際安全保障条約に依存することは許されないと述べ、「イスラエル人は歴史上、常に敵に囲まれて生きてきた。ウクライナも同じようになる」と語り、「そのため、ウクライナの指導部は、次に何が起ころうとも、ウクライナの治安状況はイスラエルの状況と同じになるだろうと見ている。今より平和になったとしても、路上で武装した人々を目にすることになるだろう。」と述べた。
昨年12月、ロシアがウクライナ国境に展開する中、ゼレンスキー大統領は自国の対ロシア闘争をイスラエル・アラブ紛争に例えていた。また、ユダヤ人であるゼレンスキー大統領は、キエフ・ユダヤ・フォーラムで、「我々は、自分の国家を持てないことがどういうことかを知っている。我々は、自らの命を犠牲にして、武器を手に自分の国家と土地を守ることがどういうことかを知っている」と語っていた。
イスラエルのオンラインニュースサイト『ynet.news』によると、ゼレンスキー大統領は国営放送で放映されたウクライナのジャーナリストとのインタビューで、「ウクライナは戦闘を終わらせるためにロシアと交渉するしかなかった」と語った。そして、ウクライナの首都キエフの西にあるブチャの町でロシア軍による住民の虐殺を非難した後に、「私を含めて全員が、交渉の可能性さえも挑戦と受け止めるだろう。その挑戦とは、まず内面的なものであり、自らの人間としての挑戦である。そして、自分を奮い立たせ、やらなければならないという時、他に選択肢はないと思う。」と述べた。
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