イスラエル、ヨーロッパ向けの天然ガスを準備(2022/05/19)
イスラエルは海底天然ガスの生産を増やしており、欧州にとってのロシアに代わる新しい供給先になろうとしている。今後数カ月以内に欧州と供給契約を結ぶことを目指している。
イスラエルのニュースサイト
『Ynet』によると、業界関係者たちは、イスラエルが今後数年間で、既存プロジェクトの拡張と新規油田の稼働により、生産量を約200億立方メートル(bcm)から約400億立方メートルに倍増させる勢いであることを明らかにした。イスラエルは現在、自国の市場に供給しているほか、国内のパイプライン網を通じて隣国のエジプトやヨルダンに輸出しており、今後追加で生産するガスの多くはヨーロッパ向けになる予定だ。...
全部読む
イスラエルのニュースサイト
『Ynet』によると、業界関係者たちは、イスラエルが今後数年間で、既存プロジェクトの拡張と新規油田の稼働により、生産量を約200億立方メートル(bcm)から約400億立方メートルに倍増させる勢いであることを明らかにした。イスラエルは現在、自国の市場に供給しているほか、国内のパイプライン網を通じて隣国のエジプトやヨルダンに輸出しており、今後追加で生産するガスの多くはヨーロッパ向けになる予定だ。
イスラエルエネルギー省のリオル・シラット長官は、今年後半に稼働予定のイスラエル沖合約90キロのガス田を訪れた際、「比較的早い作業プロセスを作り、夏までに枠組み合意に至ることを望んでいる」と述べた。そのガス田の所有者であるロンドンのエナジアン社は、最近、近くに別の鉱区を発見した。「最初は少量で、徐々に生産と配送の能力が上がれば、数量は増えていくだろう」とシラット長官は語った。この種の合意は、まず政府間で行われ、その後、民間で最終的な合意が交わされるため、現実的には、2024年をめどにヨーロッパへの輸出が開始すると見られている。
供給ルートの選定は、地域の政治を考慮する必要が求められている。エジプトの液化プラントで欧州に輸出し、まだ計画段階にあるパイプラインを使用してヨーロッパに運ぶ方法が検討されている。また、浮体式液化天然ガス(FLNG)施設も候補に挙がっており、この方法であればイスラエルから直接ヨーロッパに出荷することが可能になる。このほか、ガス田とヨーロッパ大陸を結ぶ東地中海(Eastmed)パイプラインプロジェクトや、トルコまでの短いパイプラインも検討されている。
天然ガス市場のコンサルタント兼アナリストのジーナ・コーエン氏は、イスラエルの外務省と欧州議会に提出した報告書で、エジプトはヨーロッパへの最短ルートであり、浮体式液化天然ガスを選べば、どの通過国からも独立した形で輸送できると述べている。一方、直接輸送できるパイプラインは消費者にとって最も低価格となる反面、建設に時間がかかる、と述べている。同氏は、「ヨーロッパへの主要なガス供給国になるための時間的窓口は限られているため、イスラエルはできるだけ早く行動しなければならない」と指摘している。
中東のニュースを扱うアメリカの通信社『ザ・メディアライン』によると、元イスラエルエネルギー大臣上級顧問のドロール・コーエン氏は、イスラエルと欧州のエネルギー供給協定はほぼ不可避だとしている。「何もそれを止められないと信じているが、ここは中東だから、何もそれを妨げないことを祈っている」とも述べている。「エジプトやキプロスのような地域の友好国と一緒に輸出すれば、地元で使えるガスが増え、地域全体の経済が豊かになる」と指摘している。
仏経済紙『レゼコー』は、東地中海、特にエジプト、イスラエル、キプロス沖で最近発見されたガスは、中東の地政学的な風景を変えつつあり、おそらく近いうちに地中海盆地全体の風景を変えることになるだろう、と報じている。東地中海でのガスの発見は、地域に新たな富をもたらし、イスラエルはそれを利用して近隣諸国との平和協定を強化していくことが考えられると伝えている。
閉じる
イスラエルと韓国、ファイザー製ワクチンのスワップで合意(2021/07/07)
イスラエルは今週、ファイザーとバイオンテックの、期限切れ間近となっている新型コロナウイルスワクチン約70万本を韓国に届け、韓国は9月と10月にファイザー社に発注済みの同数のワクチンをイスラエルに返すことで合意した。
ドバイのメディア
『アル・アラビヤ』によると、韓国は、手持ちの新型ワクチンを迅速に配布したものの、アジアを中心とした世界的な供給不足の中で、ワクチン確保が難しい状況に直面していた。
韓国疾病管理庁(KDCA)のチョン・ウンギョン庁長は、今回の合意により、人との接触が多い業種の従業員への接種を含め、ワクチン接種計画を加速することができると述べた。庁長は、ワクチン接種の優先順位は地方自治体が決定するが、街路清掃員、配達員、販売員などが考えられると述べた。...
全部読む
ドバイのメディア
『アル・アラビヤ』によると、韓国は、手持ちの新型ワクチンを迅速に配布したものの、アジアを中心とした世界的な供給不足の中で、ワクチン確保が難しい状況に直面していた。
韓国疾病管理庁(KDCA)のチョン・ウンギョン庁長は、今回の合意により、人との接触が多い業種の従業員への接種を含め、ワクチン接種計画を加速することができると述べた。庁長は、ワクチン接種の優先順位は地方自治体が決定するが、街路清掃員、配達員、販売員などが考えられると述べた。
韓国当局は先週、ファイザー社のようなmRNAワクチンを中心に、国民の70%以上に最低1回のワクチンを投与することで、現在の11月の目標よりも早く集団免疫を確立する目標を発表していた。庁長は、ワクチン接種が計画通りに進み、イスラエルとの間で合意した量を送り返した後、年明けに韓国が余剰量を抱えることになれば、韓国も他国との備蓄の共有を検討するとも述べた。
韓国では、小規模な感染者の発生が続いている。KDCAによると、5日には、新規感染者数746人を記録した。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は6日に発表した声明の中で、「これは双方にとって利益となる取引だ。共にパンデミックを克服したい」と述べた。イスラエルでは、全人口の約55%が2回の接種を完了しており、感染者数は横ばいとなっている。
イスラエルのニュースサイト『Ynetnews』によると、ワクチン交換は、ベネット首相が、ファイザー社のCEOであるアルバート・バーラ氏と自ら交渉したことで合意に至ったと伝えている。ファイザー製ワクチンの二国間交換は初めての試みとなる。
また、今回の合意は、パレスチナ自治区がイスラエルから100万人分のコロナワクチンを受け取る契約を破棄した数週間後に実現したものになる。パレスチナ自治区は、ワクチンが期限切れに近づきすぎており、基準を満たしていないと主張していた。
米『ウォールストリート・ジャーナル』紙によると、韓国保健当局は、品質検査後、1週間以内に使用可能になる見通しを発表しており、最近の韓国での配布状況から、70万回分は1日か2日で投与できるだろうと伝えている。
文政権は、昨年末にコロナワクチンが購入できるようになった際、積極的に購入することを躊躇した。副作用の可能性や有効性の不明瞭さを理由にワクチンの大量購入を控えることを選択した。現在は、約5200万人の国民に2回接種するのに十分な量を購入しており、5月に行われた政府の調査によると、韓国人の10人に7人がワクチンを接種すると答えている。
ファイザー社は、イスラエルと韓国のスワップのような政府間の協力的な取り組みを含めて、ワクチンが効果的に投与されるよう努めていきたいと声明を出した。同紙は、このような取引は、少なくとも富裕国の間では、世界におけるコロナワクチン供給を是正するのに役立つだろうと伝えている。
閉じる
その他の最新記事