中国拠点の米製造業受注40%減少、春節前の工場閉鎖も
コロナ禍のロックダウンにあえぐ中国を拠点とするアメリカの製造業では受注が減少し、多くの工場では昨年よりかなり早く、中国の旧正月「春節」休暇に入るとみられている。米企業の中国離れも進んでいると報じられている。
12月4日付米
『CNBC』:「需要減少傾向が続き、中国拠点の米製造業受注40%減」:
米国の物流業界は、来年1月、中国の工場からの配送の遅れを見込まねばならない。
アジア発の貨物輸送需要の減少が続いていることから、流通業者側は、空きコンテナやサービス停止などの対応に取り組んでいるという。
最新のCNBCサプライチェーンヒートマップによると、中国拠点の米製造業受注は40%減少。...
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12月4日付米
『CNBC』:「需要減少傾向が続き、中国拠点の米製造業受注40%減」:
米国の物流業界は、来年1月、中国の工場からの配送の遅れを見込まねばならない。
アジア発の貨物輸送需要の減少が続いていることから、流通業者側は、空きコンテナやサービス停止などの対応に取り組んでいるという。
最新のCNBCサプライチェーンヒートマップによると、中国拠点の米製造業受注は40%減少。受注の減少により、中国の多くの工場では旧正月の春節(1月21日)を待たずに、その2週間前から休暇に入るものとみられている。
サプライチェーン調査会社「Project44」によると、パンデミックによるロックダウンの間、一定の貿易水準に達すると、2022年夏以降(8~11月は21%減少)、中国初米国向けコンテナ船が急激に減っている。
一方、米国や欧州からの受注が減り、多くの製造業者が中国国外にシフトしていることから、同じく世界の製造業の拠点となっていたベトナムにも影響が出ている。ベトナム総合統計局の統計によると、今年に入ってから一月に12500社のペースで業務を閉鎖しており、一年あたり24.8%増の早いペースで転換が進んでいる。
逆に、中国発の輸出需要が減る傍ら、2020年前半から欧州と米国の貿易が盛んになっている。これはパンデミックのみが要因ではなく、中国への依存から脱却しようとする戦略的なもの、またロシアとの緊張関係による地政学的理由によるシフトで、欧米貿易ブームがきているとみられる。
このように世界の貿易マップが急速に書き換えられている。今年、米国の輸入先は欧州が中国を上回っており、2010年代からの大きな転換である。米国向けドイツの輸出は今年9月、前年比で約50%増加。機械工学セクターの米国向け輸出は20%増加している。
12月5日付『Yahooファイナンス』:「コロナ禍の中国で米製造業の受注40%減」:
コロナ禍のロックダウンにあえぐ中国で、米国の製造業需要が激減しているという。
米メディアによると、米企業の中国離れの兆候もみられる。アップル社は製造拠点の一部を、インドやベトナムなど、アジアの他地域に移す計画もあるという。
中国国家統計局によると、国内の製造業の活動指数である製造業購買担当者景気指数(PMI)は、11月48で、過去7ヶ月で最低となった。また、サービス業や建設業の景気を示す非製造業PMIは、46.7と前月の48.7を下回った。
中国では、コロナ感染者の増加から、ここ数週間ゼロコロナ政策が継続されている。ロックダウンへの抗議デモが各地で起きており、今週には河南省鄭州市で、米アップル社の主な下請け生産を請け負うフォックスコンの数百人の労働者がデモを行っている。
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インドネシア:イスラム金融台頭で既存銀行離れ
インドネシアでは、イスラム保守主義が拡大し、有能な人材が非宗教的な金融機関から流出しているという。
6月21日付
『Yahooファイナンス』(ロイター通信引用)は「インドネシア、イスラム保守主義の拡大が金融業界全体へ波及」との見出しで以下のように報道している。
インドネシアでイスラム保守主義が拡大し、有能な人材が非宗教的な金融機関から流出している。シャリアに則った金融部門は繁栄する一方、既存銀行の雇用にも影響しているという。
インドネシアは世界で最もイスラム教徒の多い国で、「リーバ」(利子)を禁止するイスラム法への懸念が、インドネシアの金融界に残響している。...
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6月21日付
『Yahooファイナンス』(ロイター通信引用)は「インドネシア、イスラム保守主義の拡大が金融業界全体へ波及」との見出しで以下のように報道している。
インドネシアでイスラム保守主義が拡大し、有能な人材が非宗教的な金融機関から流出している。シャリアに則った金融部門は繁栄する一方、既存銀行の雇用にも影響しているという。
インドネシアは世界で最もイスラム教徒の多い国で、「リーバ」(利子)を禁止するイスラム法への懸念が、インドネシアの金融界に残響している。
2018年以来、銀行やフィンテックの雇用情勢は益々難しくなっているという。 人材会社のファイナンス部門リクルーターは、求職者50人中15人が従来の銀行やソーシャルレンディングでの雇用を避ける傾向にあるという。その理由は明確で(イスラム法で禁じられている)「リーバ」(利子)を避けることにある。
イスラム教の専門家の間でもリーバの定義は異なる。銀行ローンの金利だとする意見や、貸し付けは回避されるべきだが罪ではないとする意見もある。一方、(イスラム教の聖典)コーランでは、注意深く処理され、正確に記録されるならば、貸し付け自体は許されているのだという。
インドネシアでイスラム金融は国内の金融界のわずか6%強を占めるに過ぎないのだが、近年すさまじい勢いで成長している。イスラム金融の預金高は2018年末から今年3月にかけ80%上昇した。従来の銀行の18%成長をしのいでおり、貸し付けでも急速な成長がみられる。
同日付『DealStreetAsia』は「イスラム保守派台頭によりインドネシアの金融部門で人材離れ」との見出しで以下のように報道している。
従来の銀行業界からの人材離れがどれほどの規模か正確には計れない。というのも統計では徐々に雇用が落ち込んでいるように見えるが、デジタル化やコロナ禍関連の解雇も影響している。政府統計によると、今年2月時点で金融業界の150万人へ国民平均で3番目に高い給与が支払われ、2018年には業界全体で170万人が雇用されていた。
2月にイスラム銀行のバンク・ラクヤット・インドネシア(BRI)と国営2行が合併し、最大の国営銀行バンク・シャリア・インドネシア(BSI)が発足した。BRIのSunarso氏は宗教的理由による人材流出も、シャリア金融にとっての新たな機会であると捉えている。
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