米大手ECサイトのアマゾンは、2月に予定されている組合結成のための投票に関して、新型コロナウイルスの感染拡大が続いているにもかかわらず、「公正な」選挙を行うためにはアラバマ州の倉庫の従業員が郵送ではなく直接投票を行う必要があるとして申し立てを提出した。
米
『USA Today』によると、アマゾンは21日、2月8日から始まる予定の労働組合結成の有無を決める投票の延期を求めて、全米労働関係委員会(NLRB)に申し立てを提出したという。この動きは、2ヶ月近くの期間をかけて6000人の従業員が郵送による投票を行うという以前の決定をNLRBに再考してもらい、代わりに1日だけの直接投票を行ってもらうことを意図している。
アマゾンの広報担当官であるヘザー・ノックス氏は「USA TODAY」に投稿した声明の中で、「有効かつ公正である、適切な選挙を行うための最善の方法は、職場の近くで社員が簡単に(投票内容の)確認及び投票ができるように、対面式で、全てが手作業で行われることだと考えている」と述べている。
さらに「アマゾンはNLRBに、社員が直接投票を行うための安全で機密性の高い有用な提案を行った。対面投票は、社員にとっての利便性、投票の信ぴょう性、迅速な開票など、すべての当事者にとって最善の利益をもたらすものである。 私たちは今後も公正な選挙のための施策を主張し続け、すべての人に投票してもらいたいと考えているので、それが可能であることを保証することが私たちの関心である」と述べている。
政治ニュース専門の米『ポリティコ』によると、米アマゾン社内で労組結成を決める投票は、7年ぶりであり、労組結成のためには投票で投じられた票の過半数を獲得する必要があるという。この取り組みが成功すれば、米国初のECサイト組合となる。同様の投票がアマゾン社内で実施されたのは2014年で、当時は労組を結成しないという結果になった。
アマゾンは、NLRBに対し、昨年12月の郵便による投票の承認は、新型コロナウイルスパンデミックに関する初期の頃の仮説と、ウイルスに対する科学的理解の欠如が反映されたものであると主張している。さらに、爆発的感染が実際に何であるかを定義していないのでこの決定には「欠陥がある」としている。
NLRBの地域副ディレクターであるリサ・ヘンダーソン氏は、選挙を直接投票に制限することは、新型コロナウイルスに感染している、あるいは感染を懸念している投票者の権利を奪うことになるとアマゾンに警告している。また、コロナ禍の中で投票者の健康と安全を守るためには郵送投票が有効であり、直接投票ではコロナウイルスの感染が特に多い地域にスタッフを派遣する必要が出てくると反論している。
米民主党も2020年の大統領選で、コロナ禍の中、より多くの有権者が参加できるようになると郵便投票を呼び掛けていた。『ポリティコ』は、アマゾン社長のベゾス氏が経営するワシントン・ポスト紙は、郵送投票による投票者の不正行為に関する主張にすべて反論し、不正行為を主張する共和党支持者を「危険」であり「許しがたい態度」であると主張してきたが、社内における郵便投票となると、自社に何らかの不利益をもたらすと見なして郵便投票には重大な欠陥があると主張していると矛盾を指摘している。
ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、アラバマ州では12月、新型コロナウイルスの症例が100,641件確認されており、死亡者数は1,981人と過去最高を記録している。
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米大統領予備選挙で、共和党指名候補ドナルド・トランプ氏、民主党最有力候補ヒラリー・クリントン氏、それを猛追するバーニー・サンダース氏への支持率がほぼ同等となってきている。最新の調査結果では、クリントン氏がごく僅差でトランプ氏にリードするのみ。概ね「政治エリート」と識別されるクリントン氏を4割強が不支持、トランプ氏と本選挙で争う観測だが、ともするとサンダース氏が候補の方が勝算があるという見方もある。側近の選出により支持も流動するため、無党派の票をクリントン氏がどれだけ取り込めるのか、予断を許さない。
5月15日付
『USA TODAY』は「クリントン陣営、サンダース支持者受けする副大統領を求む」との見出しで以下のように報道している。
・選挙関係者(の個人4名)によると、クリントン陣営は幅広い支持層から支持を得られる片腕副大統領候補を探しているという。求める人物像は民主党員をまとめるべく重要州の人物が望ましい。
・ツイッター上でトランプ氏と対立したことのあるマサチューセッツ州上院議員エリザベス・ウォーレン氏。弁が立ちそうであるが、クリントン氏にも批判的で親しくない。
・民主党候補アルゴアとジョンケリー氏の上級補佐官だったボブ・シュラムはクリントン氏は先進的でない人は選ばないという。その他の候補に挙がっているのは、バージニア州上院議員ティム・ケイン氏やオハイオ州上院議員シュロッド・ブラウン氏、労働組合で人望があり市民権の問題に長年取り組んだ労働長官トム・ペレス氏など。
・また、議会で最高位のラテン系議員で衆議院の民主党コーカス会長のザビエル・ベセラ氏。10以上の州でクリントン氏の応戦してきた。イラク戦争では反対の立場をとったが、ラテン系の票獲得には得策となる。
同日付米
『POLITICO』は、「ジョージアの世論調査で候補は拮抗」との見出しで以下のように報道している。
・ジョージア州の最新世論調査では、トランプ氏とクリントン氏は本選で拮抗するとの予測。
無党派層は両候補に分かれ、13%が未定又は支持者候補なしと答えた。
・最新7つの調査を総合すると、本選で共和党候補トランプ氏に対して、サンダース氏がクリントン氏より上。サンダース氏が47%と一番の支持を集めており、トランプ氏は40%、クリントン氏は31%。
5月12日付カタール
『アルジャジーラ』は、「世論調査、サンダース氏の方がトランプ打倒の可能性が高い」との見出しで以下のように報道している。
・最新調査では、クリントン氏よりサンダース氏の方がトランプに勝算がある。
調査は、「ロイター通信」、「リア
ル・クリア・ポリティクス」、米国非党派選挙情報機関による。
獲得議員数は、クリントン 1,716サンダース氏1,433、スーパー代議員を入れると、クリントン氏 2,240サンダース氏 1,473。
スーパー代議員は7月25日の民主党大会までに支持を変える事が出来る。
・火曜の「リアル・クリア・ポリティクス」の発表では、サンダース氏がトランプを13%上回ったのに対し、クリントン氏はわずか5%。
・水曜の「ロイター・イプソス世論調査」の発表では、クリントン氏とトランプはタイだった。(サンダース氏の調査はなし)
・全有権者の42%を占める無党派層の動きが重要、民主党員はわずか29%、共和党員はわずかに26%。サンダース氏とトランプ氏は圧倒的に無党派層の支持を集め、その動向が結果を左右することとなる。
5月11日付米
『コモンドリームズ』は、「"恐ろしい"最新国民調査によるとトランプとクリントンはタイ」との見出しで以下のように報道している。
・最新の「ロイター・イプソス」の調査によると、41%の有権者が民主党最有力候補クリントン氏、40%が共和党トランプ氏、19%が未定で、両者が互角とされる。
・1週間前の調査ではクリントン氏がトランプ氏に13%もリードしていた。これは共和党のテッド・クルーズ氏とジョン・ケーシック氏の撤退がトランプ票の上昇に影響したものと思われる。
候補者の側近選びも選挙戦には重要で、有権者はクリントン氏が副大統領にリベラル派を指名するならクリントン氏を支持すると回答、一方、トランプ氏がもし政治経験が豊富で「一貫して」保守派な人物を指名すれば支持率は上がると予想。
・クリントン氏が負けると予測する政治参謀はいないが、トランプ氏のアピールを過小評価しないよう警告するものもいる。民主党参謀ブラッド・バノンは、「多くの民主党員、労働者、リベラル派はもう結果は決まったと思ってるがトランプ氏の力を再び見誤らないよう常に警告しているという。トランプ氏には他候補にもない人の感情に訴える力がある。」と述べている。
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