2050年までのクリーンエネルギー移行は損より得(2022/09/14)
最新の研究によると、クリーンエネルギーの価格が下がっているため、早急に化石燃料から移行することで、世界的に数兆ドルの節約になるとされている。
9月13日付英
『BBC』:「再生可能エネルギーへの移行で数兆ドルの得」:
オックスフォード大学の「Joule」に掲載された論文によると、2050年までに化石燃料から再生可能エネルギーへ移行することで約12兆ドル(10.2兆ポンド)のコスト削減になるという。
この論文では、「早急なクリーンエネルギーへの移行はよりコスト高となる」とされていた従来の見方が間違いだとし、エネルギー供給不安を巡り、天然ガスの価格が高騰しているが、クリーンエネルギーの価格が下がっているため、今移行することは吉だと主張している。...
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9月13日付英
『BBC』:「再生可能エネルギーへの移行で数兆ドルの得」:
オックスフォード大学の「Joule」に掲載された論文によると、2050年までに化石燃料から再生可能エネルギーへ移行することで約12兆ドル(10.2兆ポンド)のコスト削減になるという。
この論文では、「早急なクリーンエネルギーへの移行はよりコスト高となる」とされていた従来の見方が間違いだとし、エネルギー供給不安を巡り、天然ガスの価格が高騰しているが、クリーンエネルギーの価格が下がっているため、今移行することは吉だと主張している。オックスフォード・マーティンスクール新経済思想研究所のファーマー教授は、「コスト面を考慮すると、すぐにグリーンエネルギーに移行すべきというのが我々の結論だ」としている。
それぞれの価格のデータを照合した結果で、今後の変化を検証した結果に基づく。化石燃料のデータは、2020年から100年前に遡り、インフレや市場変動を考慮すると、価格があまり代わっていない。一方、再生可能エネルギーは数十年の歴史しかないためデータは少ないが、技術が進歩し続け、太陽光や風力発電コストは、年あたり約10%の割合で急激に下がっている。
しかし、気象の変化等により電力生産に問題が生じた場合、どのように電力の供給バランスを取るかという課題は残る。
2019年英国では、フィリップ・ハモンド元財務大臣が首相へ宛てた書簡で、「英国が2050年までに、温室効果ガス排出ネットゼロを目指すためのコストは、1兆ポンド(約1.2兆ドル)を超える」と予測していたが、これは見積もりミスであり、投資を妨げるものだったと論文は主張している。また、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、「地球の温度を2度低下させるためのコストは2050年までのGDP分の損出に値する」とした予測も悲観的すぎると否定している。
同日付米『The Hill』:「ゼロ・カーボン推進により、地球規模で12兆ドルの節約か」:
再生可能エネルギーへの移行は、必要だがコストがかかると指摘されているが、最新の研究では、逆に世界的に数兆ドルの節約になるとされている。
オックスフォード大学の研究によると、化石燃料からの移行は早くなるほどコストが抑えられるという。13日に雑誌「Joule」に発表された論文によると、2050年までに化石燃料から再生可能エネルギーに移行することは、世界経済において、最低でも12兆ドルのコスト減になるという。この早期移行シナリオでは、現行のそして今後開発される技術により、現在より55%多いエネルギー生産が可能になるという。
だがスムーズな移行には、製造業等のカーボンエネルギーへの依存や、政府、産業界の反対が壁となるだろう。コストが上がるとの従来の予測により、各国政府は疑念からエネルギー移行推進策に慎重になっていた。
だが、風力や太陽光エネルギーの価格は、予測よりも早く下がっており、例えば太陽光エネルギーでは、過去20年で最も悲観的だった予測の2倍のコスト下落となっている。長期的には、風力、バッテリー蓄電技術、水素電解などの最先端の蓄電技術も、同様にコストが下がるとみられている。
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米中間選挙を前に民主党議員の引退相次ぐ、共和党有利に(2021/11/08)
2022年の米中間選挙を前に、民主党は地方選での相次ぐ敗退で議員引退の波が来ている。
11月7日付米国
『NBCニュース』は「下院民主党議員らの再選出馬断念で共和党有利か」との見出しで以下のように報道している。
先週のバージニア州知事選の結果を受け民主党議員の進退に影響が出ており、共和党には追い風となっている。
遅延していたインフラ法案が可決し、共和党優勢をひっくり返せるとの期待もあったが、共和党のグレン・ヤンキン氏が州知事選で勝利。
これにより民主党内では、2022年の中間選挙での議席確保が厳しいとの見方が広まり、出馬を断念し引退する議員もいる。...
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11月7日付米国
『NBCニュース』は「下院民主党議員らの再選出馬断念で共和党有利か」との見出しで以下のように報道している。
先週のバージニア州知事選の結果を受け民主党議員の進退に影響が出ており、共和党には追い風となっている。
遅延していたインフラ法案が可決し、共和党優勢をひっくり返せるとの期待もあったが、共和党のグレン・ヤンキン氏が州知事選で勝利。
これにより民主党内では、2022年の中間選挙での議席確保が厳しいとの見方が広まり、出馬を断念し引退する議員もいる。下院で議席を減らせば過半数に満たなくなる恐れがある。逆に、来年の中間選挙で与党が保てないなら出馬の意味もないと考える場合もある。
既に出馬しない意向を決めた議員は、増え続けている。10月、民主党のベテラン議員の引退表明に衝撃が走った。ノースカロライナ州のデビット・プライス、ペンシルベニア州のマイク・ドイルは合わせて60年のキャリアだ。ケンタッキー州選出のジョン・ヤーマス予算委員長は75歳での引退を発表、他にもアリゾナ州のアン・カークパトリック議員、イリノイ州のシェリ・ブストス、ウィスコンシン州のロン・カインドが不出馬の意向を示している。
現在のところ、最終決定ではないが10人ほどの議員が不出馬の意向を発表している。50の州で選挙区割り改正が進んでいるため更に不出馬が増えるとみられている。
11月6日付米国『The Hill』は「バージニア州知事選敗退を受け民主党議員の間で相次ぐ引退」との見出しで以下のように報道している。
2022年の中間選挙を前に、民主党は相次ぐ敗退で議員引退の波が来ている。14人が既に不出馬の意向を公表しているのだが、バージニア州知事選での痛い敗退を機に、選挙キャンペーンの失敗や過半数割れを避けるため、現職議員がさらに出馬を見送るのではないかとみられている。一方の共和党はバージニアの勝利に勢いづいている。
先週の選挙の前からでも、中間選挙での苦戦は予想されていた。一つには、10年ごとの選挙区割り改変プロセスにより、共和党が議席を増やすとの期待があった。また中間選挙で、新大統領の与党に苦戦はつきもの。最新の調査では、国民の過半数は「国は間違った方向に向かっている」とし、バイデン氏の支持率は低下している。そしてバージニア、ニュージャーシーでの僅差勝利等が過半数維持に影を落としている。
中間選挙不出馬の議員の中には引退ではなく、上院選や市長選、州司法長官への出馬を目指す議員もいるが、現職議員の不出馬は不安のもととなる。過去2018年の中間選挙の前には、20人あまりの共和党現職議員が議員引退を決めたことで、民主党が議席を増やし下院での過半数確保に繋がり、この年は「青い波」と呼ばれた。今、共和党はバージニアの勝利を受け2022年の「赤い波」をうたい始めている。共和党のマッカーサー下院院内総務は60議席の奪還を予測しているという。
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