2014年クーデターで政権をとった軍事政権が続くタイで総選挙が行われた。暫定得票数では、親軍政党がリードしているが、不正が行われているとの情報もあり、選挙管理委員会は最終結果公表を60日間保留する事も出来る。プラユット暫定首相が続投する可能性が高まった一方、投票率が前回より落ちたこともあり、民主主義復興を願う有権者からは失望の声も聞こえている。
3月25日付タイ
『バンコクポスト』は「不正投票が横行している、と選挙監視機関」との見出しで以下のように報道している。
民主主義と選挙監視に関する非政府団体(PNET)によると、昨日の総選挙で、いくつかの党では有権者の買収が行われていたという。政党集会参加者に200バーツを渡し集客。ドライバーには500バーツが支払われていたとの情報もある。100バーツ紙幣の山の証拠写真に関する情報が、選挙法違反を訴えるため選挙管理委員会に報告されたという。...
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3月25日付タイ
『バンコクポスト』は「不正投票が横行している、と選挙監視機関」との見出しで以下のように報道している。
民主主義と選挙監視に関する非政府団体(PNET)によると、昨日の総選挙で、いくつかの党では有権者の買収が行われていたという。政党集会参加者に200バーツを渡し集客。ドライバーには500バーツが支払われていたとの情報もある。100バーツ紙幣の山の証拠写真に関する情報が、選挙法違反を訴えるため選挙管理委員会に報告されたという。しかし、概ね全国的には滞りなく選挙が行われたという。
有権者にインタビューしたミャンマーのメディアは、有権者らは投票権を行使できた喜びを語り、選挙後の経済回復を願っているという。米国、豪州、アジア諸国も南部の選挙区等の取材を行っていた。
3月24日付米国『The Economist』は「タイの軍事政権が不正選挙でやりたい放題」との見出しで以下のように報道している。
タイの総選挙前日、ワチラロンコン国王は、「我国は善良な人々により統治されるべきであり、悪い人々が権力を持つことで問題や紛争を起こしてはならない」との父で前国王の言葉に言及したという。だが、動揺は起きてしまった。
選挙日の夕方になり、選挙管理委員会は、理由を明かさずに翌日まで選挙結果を公表しない旨を発表した。
最終結果は60日間公表を待つことも出来るのだが、一方、非公式な暫定結果によると、選挙は5年前クーデターにより権力を握った政党が優勢だという。
今回の総選挙では、8年前の約3分の2となる5100万人が投票した。2006年のクーデターで失職したタクシン・シナワトラ元首相のように民主主義復活を期待した人々の中には、投票率低下に失望した人々もいる。軍事政党が得票数9割以上を獲得し、(タクシン元首相派)タイ貢献党は今回の全うでない選挙で失墜した。
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