アマゾン創業者で CEO のジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙開発企業ブルー・オリジン社が、再利用可能ロケット 「ニューシェパード」(BE-3) の垂直着陸に世界で初めて成功した。
テスト飛行に関してはメディアには知らされず、米中西部で現地時間23日午前11時ころ実施され、その飛行の様子は翌24日、あたかも「宇宙旅行のコマーシャル」かのような動画(ムービー)によって公開された。
ベゾス氏は数週間のうちに次の離着陸実験を行うことを示唆しており、来年には有人飛行テストを始める計画。商業宇宙旅行は2、3年以内の開始を見込んでいる。これにより同じく宇宙開発事業を手掛けるイーロン・マスク氏創業のSpaceX社は、ライバルに先を越される形となった。今回の実験成功を受け、彼はジェフ・ベゾスとブルー・オリジンに対しお祝いのツイートを贈ったと報じられている。
米各メディアはこの偉業を動画を多数交えて大々的に報道した。
11月24日付け
『UNIVERSE TODAY』によると、
米民間宇宙開発を手掛けるブルー・オリジンが、西テキサスで現地時間11月23日午前11:21、再利用型ロケット「ニューシェパード」の試験飛行を行い垂直離着陸に成功したと発表した。
今回の試験飛行では、高度32万9839フィート(約10万メートル)、最高速度マッハ3.72(約4593km/h)に到達、高度4896フィート(約1500メートル)で再点火し、西テキサスの発射基地に軟着陸、着地点はブースターから僅か4.5フィート(約1.4メートルであった。...
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11月24日付け
『UNIVERSE TODAY』によると、
米民間宇宙開発を手掛けるブルー・オリジンが、西テキサスで現地時間11月23日午前11:21、再利用型ロケット「ニューシェパード」の試験飛行を行い垂直離着陸に成功したと発表した。
今回の試験飛行では、高度32万9839フィート(約10万メートル)、最高速度マッハ3.72(約4593km/h)に到達、高度4896フィート(約1500メートル)で再点火し、西テキサスの発射基地に軟着陸、着地点はブースターから僅か4.5フィート(約1.4メートルであった。燃料は、液体水素と液体酸素で、最大推力11万lbf(490kN)、ほぼ全ての項目で完璧に作動し、商業宇宙飛行連盟はこれを画期的着陸と賞した。
このロケットの開発の最終目標は乗客が無重力を体験し、宇宙船の大きな窓から地球を見て、帰還する事である。ブルー・オリジンの飛行成功の模様は動画に収めらており、そこには、実際には無人飛行なのだが、乗客が宇宙飛行を楽しんでいるかのような楽しげな様子も盛り込まれている。
去る今年4月、ブルー・オリジンは最初のテスト飛行を行い目標高度の30万7千フィート(93.5㎞)に達し打ち上げは成功したが、油圧システムの圧力低下で着陸には失敗した。
ベンゾンは垂直離陸着陸(VTVL)好きで(社内ブログより)これに飽き足らず更なる”Very Big Brother"(大きなお兄さん)と名付けた「ニューシェパード」と同寸だが、最大推力55万lbf(2447kN)、液化天然ガスと液体酸素を燃料としたBE-4エンジン姉妹ロケットを開発中だ、と報じている。
11月25日付け
『POPULAR SCIENCE』は、表題に〈再利用ロケットをめぐるイーロン・マスクとジェフ・ベゾスの衝突は我らの勝利〉と題して、再利用可能ロケットに向けた大きな一歩は開発費を節約したい企業だけでなく、我々一般人の利益につながると称賛した。
(*) ライバル視されるイーロン・マスクのSpaceX社は今年3度同様の無人ロケットの垂直着陸実験に失敗している。
11月24日付け
『NASA SPACEFLIGHT』は、テスト飛行成功の詳細を掲載し、宇宙開発について、ライバル社のSpaceXとULA(ロッキード・マーティン社とボーイング社の合弁事業)は、宇宙空間へ到達し観光を目的とするブルー・オリジンと違い、軌道まで到達して ISS などへの物資や人員を送ることを目的とするという違いがある事に言及した。
『NEW YORK POST』では、〈宇宙開発競争は、民間部門にシフトした〉と題し、米航空宇宙局(NASA)との契約でSpaceX社はすべに国際宇宙ステーションに供給を行っている。ボーイング社、リチャード・ブランソンのヴァージン・ギャラクティック等の民間企業も宇宙事業に乗り出した。連邦予算の逼迫でNASAは今後数十年は打ち上げを行う体力が残っていない。民間企業の参入は歓迎するべきことだ、と報じた。
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