一方、米国から先に軍事支出をGDPの2%以上とするように迫られたドイツの対応は慎重だ。3月1日の『THE LOCAL de』は、「AFP」の記事を引用して以下の通り報じている。ドイツは3月1日に軍事支出を更に増やす必要があるとことに合意したが、ドイツ政府がNATOの目標であるGDPの2%となるために数百億ユーロ増額することについてヨーロッパ各国の理解か得られるか疑問を呈した。ドイツは現在GDPの1.2%を軍事支出に費やしている。ドイツのジグマール・ガブリエル外相は、軍事支出の増額が必要と述べるも、ドイツが年間600億ユーロの軍事支出をすればヨーロッパで最高の軍事支出額となり、それをヨーロッパ各国が望んでいるかどうかを検討しなければならないと述べた。トランプ米政権は、NATOの同盟国に対し、国防費の「実質的な進歩」を図るよう圧力をかけている。ガブリエル独外相は米国が防衛費を主に負担し自分たちの後ろ盾になってくれていることは確かだが、ヨーロッパのGDPが米国のGDPと同じだからといって、ヨーロッパに更に多くの軍事支出を求める理由はないと述べた。NATOは元々ソ連の東欧支配に対応して設立され、ウクライナへのロシアの介入と中東と北アフリカの激動に伴い、2014年に軍事支出をGDPの2.0%に引き上げることに合意した。これまで28カ国のNATO加盟国のうち、米国、英国、ポーランド、ギリシャ、エストニアだけが2%の目標を達成している。