コーツIOC副会長、舌禍にも拘らずAOC会長に再選されて東京オリンピック組織委も安堵(?)(米・英・フランス・豪州メディア)(2017/05/09)
国際オリンピック委員会(IOC)副会長のジョン・コーツ氏が、豪州オリンピック委員会(AOC)会長に再選された。任期切れ直前に、AOC組織内のパワ・ハラ問題等が大きく取り上げられたことから、再選されるか不安視されていたが、何とか対立候補の元金メダリストを破ったもの。コーツ氏は、2020年東京オリンピック・パラリンピックIOC調整委員会委員長であり、森喜朗東京オリンピック組織委員会会長と親交が深いことから、競技場選定や過剰な総コスト問題で何かとIOCとの要調整事項が引きも切らない東京オリンピック組織委員会にとって、同氏の再選(すなわちIOC委員留任)は朗報であろう。
5月6日付
『AP通信』:「コーツ氏、AOC会長に再選」
IOC副会長のジョン・コーツ氏は5月6日、AOC会長の選挙で再選された。コーツ氏は、これまで1990年に就任以来30年近く、対立候補がいなかったため同会長職に留まっていたが、今回は、フィールド・ホッケーの元金メダリストのダニー・ロシュ女史が立候補したため、コーツ氏にとって初めての選挙戦となったもの。
コーツ氏は、2020年東京オリンピック・パラリンピックIOC調整委員会委員長として、同大会の日程や総経費などを評価・調整する任に当ってきたが、もしAOC会長に再選されなかった場合、この職も解かれることになっていた。...
全部読む
5月6日付
『AP通信』:「コーツ氏、AOC会長に再選」
IOC副会長のジョン・コーツ氏は5月6日、AOC会長の選挙で再選された。コーツ氏は、これまで1990年に就任以来30年近く、対立候補がいなかったため同会長職に留まっていたが、今回は、フィールド・ホッケーの元金メダリストのダニー・ロシュ女史が立候補したため、コーツ氏にとって初めての選挙戦となったもの。
コーツ氏は、2020年東京オリンピック・パラリンピックIOC調整委員会委員長として、同大会の日程や総経費などを評価・調整する任に当ってきたが、もしAOC会長に再選されなかった場合、この職も解かれることになっていた。
今回の会長選に当っては、AOCの元業務執行責任者だったフィオナ・ドゥ・ジョン女史から、コーツ氏右腕のメディア担当理事のマイク・タンカード氏による組織内のパワ・ハラ問題が訴えられたり、対立候補のロシュ女史からは、コーツ氏の年俸75万豪州ドル(56万5千ドル、約6,330万円)は取り過ぎで、自身は年俸10万豪州ドル(7万5千ドル、約840万円)で十分だとのアピールもあったが、結果は58票:35票の大差であった。但し、AOC委員の全会一致での再選でなかった以上、今後、コーツ氏の組織運営手法のみならず、同氏の年俸についても見直されることになろう。
同日付英
『ザ・ガーディアン』紙:「ジョン・コーツ氏、AOC会長選中の非難で傷ついたAOCの信頼性は“修復可能”と表明」
AOC会長に再選されたコーツ氏は、選挙戦中に対立候補他から浴びせられた非難によって、AOCの信頼性が損なわれたものの、“十分修復可能”だと発言した。
対立候補のロシュ女史からは、AOC組織の改革(指示命令系統の透明性等)の必要性に加えて、会長職の高額年俸の見直しについてもアピールされていた。
5月7日付フランス
『フランス24』オンラインニュース(
『AFP通信』配信):「豪州選手会、コーツ氏にAOC改革を要求」
コーツ氏はAOC会長に再選されたものの、支持基盤となった豪州選手会からは、同会のスティーブ・フッカー会長の声明にあるとおり、AOCの組織改革を断行するとの約束を果たすようにとの条件を付けられた。
なお、コーツ氏は、今回が最後の会長職(任期4年)で、2020年の東京オリンピック後には退任すると公約した。
同日付豪州
『SBSニュース』:「コーツ氏、スポーツ界でのわだかまりを修復したいと発言」
コーツ氏は再選後、会長選挙戦中に対立することになった豪州スポーツ委員会(ASC)のジョン・ワイリィ会長とのわだかまりを修復したいと表明した。ワイリィ氏は、AOC会長選の対立候補だったロシュ女史がASC理事でもあることから、陰で支援していたとみられていた。
なお、コーツ氏とワイリィ氏は、今年初めのスポーツ界関係者の集会で、前者が後者を“嘘つき”と非難して以来、犬猿の仲となっていた。
閉じる
米・フランス・ロシア・豪州・中国メディア;トランプ氏、過去40年で最も不人気な大統領として就任(3)(2017/01/23)
1月20日付Globali「トランプ氏、過去40年で最も不人気な大統領として就任(2)」の中で、“大統領就任式前後には、反トランプ派の人権・女性擁護活動家や俳優・著名人らが大規模の反対集会を開いている”と報じた。そして就任式後の週末には、米国のみならず世界各地で女性を中心とした反トランプ派による抗議デモが盛大に行われている。
1月21日付米
『NBCニュース』:「平穏でしかも積極的な“女性のワシントン行進”が大規模に展開」
「●ドナルド・トランプ氏の大統領就任式翌日の1月21日、前日の荒っぽい抗議行動と違って、平穏ながら積極的な“女性のワシントン行進”が展開。
●ワシントン特別区での前日の抗議行動では、一部暴徒化した抗議者230人が拘束。
●しかし、同行進に参加した女性を中心とした人々は、女性差別などを標榜してきたトランプ氏を非難するプラカードを手にして、静かにデモ行進。...
全部読む
1月21日付米
『NBCニュース』:「平穏でしかも積極的な“女性のワシントン行進”が大規模に展開」
「●ドナルド・トランプ氏の大統領就任式翌日の1月21日、前日の荒っぽい抗議行動と違って、平穏ながら積極的な“女性のワシントン行進”が展開。
●ワシントン特別区での前日の抗議行動では、一部暴徒化した抗議者230人が拘束。
●しかし、同行進に参加した女性を中心とした人々は、女性差別などを標榜してきたトランプ氏を非難するプラカードを手にして、静かにデモ行進。
●ワシントン行進への参加人数は未発表だが、同時に実施されたシカゴでは25万人、ロス・アンゼルスでは10万人以上、セントポール(ミネソタ州)で9万人以上、アトランタで6万人等、米国各地及び世界中で抗議活動が活発化。」
同日付米
『AP通信』:「反トランプ派の“女性の行進”行動に世界で100万人以上が参加」
「●トランプ氏の大統領就任の翌日、同氏を非難する女性中心の抗議行動に多くの賛同者が参加し、世界中で100万人以上と推定。
●中心となったのはワシントン特別区で、警察当局発表では50万人以上に上り、ワシントン特別区でのデモとしては最大規模で、前日の就任式当日より多数の参加者。
●にも拘らず、ただの一人も逮捕者はなし。
●ワシントンの他、ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ロス・アンゼルス、更には、メキシコ・シティ、パリ、ベルリン、ロンドン、プラハ、シドニーと世界各地でデモ行進。
●ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は、この大規模抗議行動にコメントせず。」
1月22日付フランス
『フランス24』オンラインニュース:「“これが民主主義”:反トランプ派の女性の行進に数十万人が参加」
「●1月20日の大統領就任式でトランプ新大統領は、今後2017年1月20日が、国民が主権を取り戻した日と記憶されよう、とスピーチしたが、翌日の1月21日には、同氏の対象とならなかった多くの人たちが抗議行動のためにワシントンに集結。
●当初、主催者側は20万人と予測していたが、実際には50万人以上が同行進に参加。
●ロス・アンゼルスでも50万人以上、シカゴで12万人以上が参加した他、ロンドン、シドニー、バンコク、ケープ・タウン、ローマ、ベルリン等世界各地で抗議行動。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「トランプ氏就任翌日、世界中で同氏就任に抗議するうねり」
「●トランプ氏就任翌日にワシントンを皮切りに始まった、“女性の行進”と言われる抗議行動には、マイケル・ムーア映画監督、政治活動家のアンゲラ・デイビス、女優のスカーレット・ヨハンソンら多くの著名人が支援者として参加。
●メディア報道では、ベルリン、パリ、ウィーン、ジュネーブ、メルボルン、東京他多くの都市でも抗議行動が活発化。」
同日付豪州
『SBSニュース』:「“数百万人”が反トランプ派の女性の行進に参加」
「●“女性のワシントン行進”に参加した多くの女性が、女性蔑視のトランプ氏に抵抗を示す“プッシーハット”を着用。
●主催者側によると、ロス・アンゼルスでは75万人以上と最大規模の参加者、その他、ニューヨークで約40万人、シカゴでは20万人が参加したと発表。
●上・下院議会とも共和党が多数派で、ホワイトハウス陣容も共和党出身者で固めているが、これまでの新任大統領と違って、トランプ大統領には就任当初から逆風。
●なお、主催者側が、世界各地約670都市で460万人以上が抗議行動に参加したとしているが、当該情報は未確認。」
同日付中国
『環球時報』:「反トランプ抗議行動が米国分裂の証拠」
「●1月20日の反トランプ抗議行動は、ニューヨーク、シアトル、ダラス、シカゴ、ポートランド(オレゴン州)、更に香港、ベルリン、ロンドンでも展開。
●また、1月21日は、女性を中心とした抗議行動が米国内のみならず世界各地で展開。
●米大統領選に関わり、専門家の批評は以下のとおり。
・トランプ氏は大統領選挙で当選したが、その後多くの抗議活動が米国内外で展開していることから、西側の民主政治の深刻な問題点を露呈。
・かつては、共和党、民主党のどちらが勝っても、その後の国内統一が図られたが、現在は、経済格差やグローバライゼーションに伴う問題が深く、かつ直接的に米国民にのしかかっていることから、多数の人が大統領当選者に賭けることができない状況。
・トランプ新大統領は、“米国第一主義”を標榜しているが、米企業の海外生産基地を米国内に移転するには大変なコストがかかり、ましてや熟練労働者が米国内ですぐに手当てできるか疑問。
●なお、中国外交部(省に相当)の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官は1月20日の定例会見で、中国政府は今後、米中両国間の連携を図り、世界の深刻な諸問題を一緒になって解決していくべく、米新政権と真摯に協議していくことを希望しているとコメント。」
閉じる
その他の最新記事