ASEAN外相会議にミャンマー外相を招待しない意向(2022/02/04)
東南アジア諸国連合(ASEAN)の現議長国であるカンボジアは、今月16、17日に開催される外相会議へ、軍事クーデターから1年となるミャンマー国軍任命の外相を招待しない意向を明らかにした。代わりに非政治的な代表の参加を求めているという。
2月3日日付
『Reuters』:「カンボジアがASEAN会議にミャンマー外相を招待しない意向」:
カンボジアは、今月16、17日に開催されるASEAN外相会議に、ミャンマー軍任命の外相ではなく、非政治的な代表を招待すると発表した。カンボジアは現在ASEANの議長国で、昨年末には和平合意に反したとして、ミャンマー国軍の会議参加を阻止していた。
カンボジアのフン・セン首相は、ミャンマー国軍と交渉し再び招待する意向を示していたが、和平プランでの進展が見られないことから加盟国間での合意に至らなかったとしている。...
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2月3日日付
『Reuters』:「カンボジアがASEAN会議にミャンマー外相を招待しない意向」:
カンボジアは、今月16、17日に開催されるASEAN外相会議に、ミャンマー軍任命の外相ではなく、非政治的な代表を招待すると発表した。カンボジアは現在ASEANの議長国で、昨年末には和平合意に反したとして、ミャンマー国軍の会議参加を阻止していた。
カンボジアのフン・セン首相は、ミャンマー国軍と交渉し再び招待する意向を示していたが、和平プランでの進展が見られないことから加盟国間での合意に至らなかったとしている。また、「現状我々はミャンマーに対し不参加ではなく、非政治的レベルの代表参加を求めている」とし、誰を選出するかはミャンマー側に任せるとしている。
カンボジアは2日の声明で、ミャンマーで継続される暴力や人道的面での「強い懸念」を表明。ASEAN加盟諸国は暴力の即時停止などを求めている。
同日付カタール『アルジャジーラ』:「ミャンマー軍、ASEAN外相会議に招待されず」:
ASEANは、国連安全保障理事会が「あらゆる暴力の停止」とアウン・サン・スー・チー氏など拘束中の民間人幹部の解放を求める中、間もなく開催される外相会議へミャンマー国軍任命の外相を招待しない意向を明らかにした。
輪番制のASEAN議長国であるカンボジアは3日、昨年首脳間で合意された和平プランの進展が見られないとの理由から、ミャンマーのワナ・マウン・ルウィン外相はASEAN外相会議に参加できないとし、代わりとして、非政治的な代表を招待する意向を示している。
ミャンマー国内での暴力がエスカレートする中、ASEANは昨年10月の会議にミン・アウン・フライン国軍最高司令官を招待しないという前例なき措置を取った。しかし、加盟国の中では、カンボジアの首相がミャンマー寄りな点で賛否が分かれている。また、先月のミャンマー訪問とミン・アウン・フラインとの面会が軍政を認めたと受け取られるとの懸念もされている。
一方、国連安保理は今月2日の声明で、軍政による非常事態が継続している状況に深い懸念を表し、人民の意思と利益に沿った事態打開に向けた対話を強く促している。
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地球の森林:未発見の樹木種14%(2022/02/02)
先月発表された国際研究チームの研究によると、地球上の樹木のうち未発見の種が約9200種あると推定され、その約4割は熱帯雨林の豊富な南米にあるという。また、未発見種の約3分の1が希少種に分類されるという。研究チームは未来の世代のため、地球を守り自然資源を保全するため、これらの樹木の調査が重要だとしている。
2月1日付英国
『BBC』:「地球にはこれまで想定されていた以上の木の種類が存在」:
これまで発見されていない樹木の種類がまだ地球上には14%残っているとする全米科学アカデミーの調査。樹木の分類上、推定される全種7万3300種類のうち9200種は未だ解明されていないものだという。一方、最も希少なものは熱帯雨林に集中しており、気候変動や砂漠化により、非常に速い速度で絶滅する恐れがあるという。...
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2月1日付英国
『BBC』:「地球にはこれまで想定されていた以上の木の種類が存在」:
これまで発見されていない樹木の種類がまだ地球上には14%残っているとする全米科学アカデミーの調査。樹木の分類上、推定される全種7万3300種類のうち9200種は未だ解明されていないものだという。一方、最も希少なものは熱帯雨林に集中しており、気候変動や砂漠化により、非常に速い速度で絶滅する恐れがあるという。
この調査研究には、世界の数万種の樹木に関する既存データを基に存在種を予測する統計技法が用いられた。この結果は、人間の食糧や木材、医療に必要とされる生物形態の保護と、大気からCO2を吸収する気候変動対策の重要性を示している。
調査を主導したミネソタ大学のピーター・ライク博士は、地球の生物多様性が危険な状態にあるとし、「南米、アフリカ、アジア、オセアニアの熱帯や亜熱帯は既知、未知を問わず希少種の宝庫とされる。このホットスポット地域(生物多様性が脅かされている地域)を知ることは、未来の保全活動の前進に寄与することになるだろう」としている。
南米には43%と最も多くの未発見種が存在。次いでユーラシア大陸には22%、アフリカ大陸には16%、北米で15%、そしてオセアニアには11%となっている。
多様な天然森林は最も健全かつ生産的であり、世界経済や自然にとり重要である。森林の大半は、牛肉、パーム油、大豆(パーム油や大豆は家畜のえさにも利用)など、西洋で消費される食べ物の原料の倉庫であり、気候変動や森林火災が原因となる森林減少が続く熱帯地帯の国々にある。著者の一人は、「熱帯雨林はCO2排出を吸収し地球温暖化を遅らせるうえで重要だ」としている。
同日付『Reuters』:「世界の樹木の種類に関する科学調査」:
1月31日、90カ国10万区域の4400万本の木を対象とした世界最大の森林データに関する調査が自然科学アカデミー誌紀要で発表された。この調査によると、地球上には7万3300種類の木が存在しており、これはこれまで考えられた種数より14%多いという。この未分類の樹木は9200種あると推測され、その大多数は南米にあるとされる。
論文の著者でイタリアのボローニャ大学生物多様性と保全学のロベルト・カゾラ・ガッティ教授は、「木や雨林は単に酸素を生成するだけに留まらない。木や雨林がないと、私たちはきれいな水や安全な山の斜面、多くの動物の住処、藻菌類などの植物を得られず、多様性に富んだ地球のエコスステムが機能しなくなる。過剰なCO2の行き場がなく、汚染された空気の清浄化などが出来なくなる」とする。
「我々の社会では、森林を天然資源の木や木材としてしかとらえておらずその根本的役割を無視している。森林は人間にとっての木材や紙、パルプ製造という経済的側面に留まらず、エコシステムの提供に貢献している。また木や森林から人はインスピレーションやリラクゼーションも得ている」としている。
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